個室

この前の週末に息子が友達の家に遊びに行き、帰るなり妻に言ったそうだ。「個室っていいなぁ。」と。


息子の話では、友達の家に着くと、個室に通され二人で遊んでいたらしい。そこへ、お母さんがお茶とお菓子をお盆にのせて、ノックしてからドアを開け、「いらっしゃい。ゆっくりしていってね。」と言われたとのこと。自分専用の個室があるということと、お母さんがノックをしてから入ってくるということに、彼はものすごく心惹かれたそうだ。


うちの家は、2階に家族の生活スペースが集中している。キッチン、ダイニング、リビング、息子と娘の共用の部屋がワンフロアに区切りなしに広がっている。子供部屋にはドアはあるが普段は開けっ放し。ひとりになれるのは、トイレと夜布団に入るときくらい。友達が遊びに来ても、子供部屋は狭いので、私たちのいるリビングに来ていっしょにお話することになる。


以前から息子には、「個室がほしかったら早く家を出て行きなさい、もし、仮に個室を使わせることになっても、親の側がノックしてあなたの部屋に入ることはない。逆にあなたが個室から出るときに、外に向かってノックすべきだ。」と少し厳しいことを言ってきた。中学生になったことだし、1階の和室をそろそろ息子の個室にしてもいいかとも思うが、家族がお互いに気をつかいながらも、2階のワンフロアでそれぞれが好き勝手なことをしている風景が、私には心地良い。もうしばらくは様子を見ようと思う。