知的生産の技術
発想をメモする、整理する、読む、書くなどの知的生産の技術の解説書。その方面では古典中の古典。1969年出版と、パソコンもコピー機もファックスも無い時代で、今と全然環境が違いますが、基本的な考え方は十分今でも通用します。
思いついたことを確実に記録し、あとで使いやすいように整理する。整理したものを引っ張り出してきて構想し、出来上がったものを論文にまとめる。このプロセスをどうやったら合理化できるのか順を追って解説しています。
基本的には発想も、新聞の切り抜きでもなんでも、カード形式にまとめて、カードをオープンファイルで整理するというやり方です。ノートや手帳に時系列で何でもかんでも記入していくのは、亡くす可能性もないので確実なのですが、後で再編して利用しにくので、カード形式がいいのかもしれません。
今なら、紙の資料もスキャナーで読み込むなどして、全てを電子データにしておけば、後はいかようにでもなるのですが、思いつきを逐次パソコンでメモするのもおっくうだし、スキャナーで読み込ますのって結構面倒で、紙のまま持っていることがよくあるので、全てを電子かするのも思うようにはいかないものです。
当時の人が、日本語を美しく、すばやく書き上げるために、タイプライターに日本語を載せようと、ローマ字表記や、かな表記を苦労して試しているのが切実で興味深かったです。戦後の日本語のローマ字化運動ってこういうところを目的にしていたんでしょう。今ならパソコンが全て解決してしまいましたが。
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1969/07/21
- メディア: 新書
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