椅子と日本人のからだ
座り心地のいい椅子とはどんな椅子なのか?柔らかいもの、硬いもの、背中全体を支えてくれるもの、背もたれの小さいもの。この本では、「これが正解だ。」というものが示されるわけではありませんが、地べたに座る習慣のある日本人と、椅子にしか座らない西洋の人との体の違い(股関節や足首の柔らかさ)、座り方の違いに着目して理想の椅子を考察します。
著者が考えるいい椅子とは、骨盤を包み込んでしっかり支えますが、上半身は自由に動かせる椅子です。BXまでのシトロエンの椅子は全体はやわらかいけれど、骨盤を支える部分はしっかりしていて長時間座っても腰が痛くならなかったそうです。
椅子で骨盤をしっかり支えるというのは、着物の帯や袴の腰板で骨盤をしっかり固定することで、背筋がスッと伸びることと同じだそうです。袴をはいて、骨盤というか下腹をぎゅっと縛ると体の軸が安定して、背骨がまっすぐになるような気がします。
加賀市の九谷焼美術館へ行ったときに、ロビーに置いてあった椅子に座ったら、座り心地が非常によかったので、誰の椅子だろうと家に帰ってネットで調べたことがあります。ナナ ディツェルというデンマークの女性がデザインした椅子でした。こんな椅子です。この椅子も、背中全体を支えるのではありませんが、腰を包み込むようなにしっかりと支えるので座った時に姿勢が安定するのではないかと思いました。
- 作者: 矢田部英正
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
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