ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図
長男は中学2年生、自分の進路についてそろそろ考え始めてもらいたい年頃、これからの働き方がどうなっていくのか、私自信も知りたくて読んでみた。
まず、2025年の暗い状況がいくつかの物語で示される。経済のグローバル化でだれでも出来るような仕事の報酬は世界標準のレベルに下がり、先進国でも貧困が蔓延する。その一方、情報機器の発達で24時間世界中を相手に仕事が出来るようになり、ますます忙しく分刻みで仕事をこなさざるを得なくなる。ネット上の繋がりは緊密になるが、家族や地域、友人などリアルな人とのつながりが希薄になり、孤独が蔓延する。
で、どうすべきか。著者は働き方に3つのシフトが必要だと言います。
第一のシフト ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
第二のシフト 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
第三のシフト 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
第一のシフトは、だれでも出来る仕事はロボットやコンピュータ置き換えられ、賃金の水準は最も安い国のレベルに下がっていくので、高度な専門知識を身につけなければいけないということ。それも、世の中の状況を見て常に新しい分野を開拓しないといけない。
第二のシフトは、個人でできることは限られているので、会社組織の枠を超えて、個人的に頼りに出来る仲間<ボッセ>を築いたり、世界中の人から知恵をもらえる<ビッグアイデア・クラウド>とのつながりを持つことが大事だということ。
ある分野で一番優秀な人間は社外にいるという前提で、外部の人と協力し合える関係を築いておくのは確かに大事だと思う。
第三のシフトは、「お金を使ってたくさん消費することが幸せ。お金をたくさん稼ぐために働く。」からワクワクする経験を求める働き方へのシフト。モノを沢山買って貯め込むのにみんながうんざりしているのは、最近の「断捨離」を見ても明らか。
自分が中学生の頃と比べると海外との垣根はどんどん低くなっている。子供たちは世界を相手に競争しなければいけないので大変だなぁと思うが、うらやましくもある。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
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