百年の孤独

 年末の休みに入ってから読み続けて今朝ようやく読了。

 

コロンビアの作家でノーベル賞を受賞したガルシア=マルケスが1967年に発表した作品。マコンドという架空の都市がジャングルの真ん中に建設されて繁栄し、その後ジャングルにのみこまれて荒廃するまでの約100年間と、ある一族の盛衰の物語とを重ね合わせて描いていく。

 

ジャングルの低地に建設された都市のむせかえるような湿度や、人々の汗臭い臭い、家を蝕んでいく白蟻や、蠍、蜥蜴(トカゲ)、蚯蚓(ミミズ)。その中で一族の男たちは、練金術に入れあげる者、反乱軍のリーダーとなって政府に追われる者、家畜を飼って財産をなすが度を越したどんちゃん騒ぎで散財する者など、何か過剰のところを持っている。彼らは結局夢破れて家に帰ってきて引きこもる。家を支えるのは、一癖も二癖もある女たち。

 

約100年間の、6代にわたる一族の物語、しかも、男は世代が変わってもアルカディオかアウレリャノという名前が何度も登場するので親族関係を確かめながら読もうとするとややこしくて、なかなか小説の世界に入っていけなかった。終盤になって熱帯の自然の過剰さと、何かしらやり過ぎてしまう一族の過剰さ加減に身を任して浸るだけでいいやと割り切ったら何とも心地よかった。

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)