岩波講座 日本歴史 第4巻
奈良時代から平安前期ごろまでの歴史。唐の威光にかげりがでてきて、政治制度や文化、宗教において唐を丸写しする時代から、少しづつ日本の独自性が出てくるころだ。
人や田の状況を把握するために戸籍や田籍を整備し、それに基づいて人々に口分田を与え、租庸調の税を徴収する。国によるこのような全国一律の土地支配制度は、最初はある程度維持されたものの、皇族、有力貴族や寺社が、屯倉や荘園などの私有地を拡大しようとする動きに骨抜きにされていく。国が地方に派遣する国司みずからが荘園拡大のお先棒を担ぐようになる。そして、10世紀ごろには口分田の供給も全く行われなくなる。
日本の王権は、大陸や朝鮮半島からの渡来人、国内の地方勢力など、各方面との妥協の上で維持されている印象がある。一方、中国大陸は、徹底的な闘争の果てに権力を掌握した皇帝が、国全体を強力に支配するイメージが。そんな唐の均田法をまるごと取り入れても、なかなかうまくいかないのかもしれない。
北陸にも東大寺領がたくさんあったようなので、荘園にテーマを絞って何か本を読んでみたい。