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現代航空論 技術から産業・政策まで

飛行機の技術から生産、航空運輸、ファイナンスまで、飛行機に関することを一通り概観できる本です。
目次
第1章 航空機の技術と製造
第2章 航空機輸送とその安全
第3章 空港政策の変遷と今後
第4章 航空交通システム
第5章 航空機ファイナンス
第6章 地球環境問題への対応


第1章に航空機産業の特徴が挙げられています。
まず、航空機は高付加価値産業であること。単位重量あたりの製品価格で自動車と比較すると、旅客機は40倍、戦闘機では300倍以上となっているそうです。質の高い人材や高度な科学技術基盤を持つ国に適した産業とのことです。


二つ目が、技術の波及効果が大きいこと。航空機産業は安全と効率の追求にとどまるところがないため、きわめて先端的な技術が他産業にさきがけて投入されることから、多方面への技術波及、高度化を促進する。例えば、チタン合金、炭素繊維複合材料、アンチロックブレーキ、ステア・バイ・ワイヤ、衝突防止レーダーなどは飛行機から波及したそうです。


三つ目が、膨大な初期投資と寡占構造です。民間航空機の開発には、数千億円から数兆円もの投資が必要で、それを10年単位で回収し再投資を目指す産業であり、その間の社会情勢の変化や景気変動の影響をうけるハイリスクな巨大プロジェクト。そのリスクに耐えられる経営基盤を持つ企業への寡占化が進んでいる。機体では、アメリカのボーイングとヨーロッパのエアバス、カナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエル、の4社に、エンジンでは、GE、プラットアンドホイットニー、ロールスロイスの3社による寡占構造となっている。


第5章の航空機ファイナンスでは、航空機リースの仕組みが面白かった。航空機は寿命が50年以上と長く、メンテナンスも国際基準でしっかりされていて、どこに持っていっても使えるので、オペレーティングリースが多いというのは知りませんでした。メンテナンスなどの運営費用を節約するために、常に最新の機体をリースし続ける航空会社もあるようです。


もうすぐ初飛行するMRJに期待です。


現代航空論: 技術から産業・政策まで

現代航空論: 技術から産業・政策まで