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ヒトラーランド ナチの台頭を目撃した人々

 第一次世界大戦の終結からアメリカが第二次世界大戦に参戦するまでの間にベルリンに滞在したアメリカ人記者達が、ヒトラーが権力の座に上り詰めて行く過程をどういうふうに見ていたかを、まとめた本。

 

結論がわかっている後世の我々から見ると、どうして当時の人達はナチスの台頭をとめられなかったのか?と思ってしまいますが、同時代を生きた人達にとっては、ナチスの危険性をはっきりと見通すことは難しかったようです。傍観者として幅広く情報収集できる立場であったアメリカ人記者であったとしてもです。

 

1923年にヒトラーが首謀したビアホール一揆の前から、ヒトラーにインタビューを行うなど、早くからその影響力に着目する記者もいました。しかし、ナチスドイツの一致団結した整然とした行動や、効率的な社会の仕組み、めざましい経済発展、アメリカ人に対する親切な対応に目が向いて、ユダヤ人への暴力を、たいしたことないと過小に評価する記者も多かったようです。

 

また、多少の譲歩をしてでも戦争を回避しなければならない、アメリカはヨーロッパの戦争に巻き込まれるべきでないといった思惑も、判断を鈍らせたようです。

 

同じことは日本にも言える訳で、第一次世界大戦後の大正デモクラシー、昭和初期の開放的な社会の雰囲気から、どうしてたった20年足らずで破局を迎えることになったのか、当時の人達はどんな気持ちで毎日を暮らしていたのか知りたいと思う。

ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々

ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々