やわらかな遺伝子
人間の性格や行動を決めるのは、「生まれ(遺伝子)」か「育ち(環境)」か?
この議論に関して、20世紀の間は、
- 人間の行動も性格も全て遺伝子が決めている、素質が全てで育つ環境によって変わることはない、という立場
- 育つ環境によって変えることが出来る、性格は生まれつきのものではないという立場
が激しく対立しお互いを否定しあってきたそうです。
この本は、「生まれは育ちをとおして」実現する、という立場にたって、これまでの両者の学説を紹介しています。生まれ、あるいは、育ちのどちらかで100%決まるのではなく、相互に影響しあいながら育っていくとのことです。このことを、ショウジョウバエの視覚の研究や双子の研究や、鳥の刷り込み、パブロフの犬、などの例を丁寧に紹介しながら説明していきます。
子供のことにからめると、
- 性格や能力は遺伝である程度決まっている。
- だからといって、ほったらかしでいいわけではない。
- 適切な刺激を適切な時期にあたえないと、素質は発現しない。=いい環境を与えないと、素質が生かされない。
必要なものは与えないといけないけれど、むやみに手をかけても無駄ということでしょうか。親が剥きになって勉強やらせるよりも、傍らで見守っていくぐらいのつもりのほうがいいのかもしれません。(つづく)
- 作者: マット・リドレー,中村桂子,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 紀伊国屋書店
- 発売日: 2004/04/28
- メディア: 単行本
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