大震災の後で人生について語るということ

一生働くつもりで大企業に就職して、マイホームを購入し、円でのみ資産を保有、定年後は年金で暮らす。バブル崩壊までは、鉄板とも言えた日本人のライフプラン。高度成長期にはそれがもっとも高い収益を産み出すパターンだったのは確か。でも、大企業といえども倒産やリストラがあたりまえ、不動産価格は下落を続け、国の借金はかつて無いほどに膨れ上がっているのが最近の状況。このような状況下で、同じような行動をとることは、逆にリスクを極大化することにしかならないと著者は言います。自分の人的資産を企業1社に投入し、資産形成はマイホーム、日本円の一点張り。「たまごを一つの籠に入れている。」状態だといいます。


では、どうするか。当然リスクを分散しろということになる。社内調整など特定の企業の内部でしか通用しないスキルを身に付けても仕方ない。どこの企業でも通用する資格をとり、業界内での評判を大事にしろ。莫大な借金をして(レバレッジをかけて)、価格が下がっていくマイホームという不動産に投資するのは不利。住居は賃貸で。資産の一部は外貨で持つ。つまり、自分の命運が企業や国の命運に左右されないような状態にしておくべきとのこと。


就職は、自分の人的資産の企業への投資、マイホーム購入をレバレッジを効かせて(借金して)の不動産への投資と、割り切ってしまうところが、わかりやすくていい。私の人的資産も金融資産も、今のところ全て「日本」に投資しているので心配。もうすこし、資産運用についてまじめに考えてみたくなる本です。

大震災の後で人生について語るということ

大震災の後で人生について語るということ