メイカーズ 21世紀の産業革命が始まる

アマゾンで取り寄せて急いで読んだ価値あり。これからの製造業を考えた時のもやっとした不安の先を見通せるような気がする。

しかし、大量生産の勝利は、小規模な製造業の衰退という取り返しのつかない代償を伴った。(中略)大企業はみな安い労働力を求めて海外に逃避していき、国内では賃上げを求める労働組合とますます険悪な関係になっていった。(中略)それから半世紀が経ったいま、二つの変化が起きている。まず、デスクトップの工作機械と製造請負サービスが手軽に利用できるようになったおかげで、アイデアさえあればだれでも本格的に製造業を始められるようになった。次に、ウェブのおかげで、こうした製品をグローバルに販売できるようになった。物質的なもの作りの世界での起業に対する参入障壁は、急速に下がっている。

CADデータさえあれば、3DプリンターやCNC工作機械でどんなものでも試作できるようになり、それらの装置もどんどん安くなっている。3Dプリンターは簡単なものなら10万円程度を買えるそうだ。ある程度の数を作るなら、製造業請負サービスに頼むこともできる。資金がないのであれば、「キックスターター」などの「クラウドファンディング」を使って集めればいい。売り先はウェブサイトを立ち上げて世界に向けて売ればいい。考えようによっては、20年前に比べて製造業への参入障壁が劇的に下がっている。


元請から送られてくる図面にひたすら忠実にものづくりをしてきた、職人気質の会社の社長さんに、「これからは、マーケットで売れるものを提案して作っていかなあかん。」といってもなかなか難しい。それよりも、アイディアのある人が製造業に参入することをお手伝いしてたほうが話が早いかもしれない。既存の優れた加工技術をもつ会社には生産の一部を委託できるようになれば全体も潤う。


それにしても3Dプリンター面白い。何に使うかわからないが我が家にも一台ほしい。自分の顔の複製も簡単に作れそう。


MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

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