フラット化する世界 下
フラット化する世界において政府がなすべきこと三つ
- インフラの整備
- 教育
- ガバナンス
インフラの整備は、通信インフラ、空港、港、道路などの交通インフラを整備して、国民が誰でも簡単にフラット化した世界へアクセスできるような環境を整えること。インドへのアウトソーシングが進んだのは、ITバブルの時にアメリカの通信会社が世界中に張り巡らせた光ファイバーが、バブル崩壊とともに馬鹿みたいに安い値段で使えるようになったから。
かなり複雑な仕事もコンピュータがやったり、海外へアウトソーシングされるようになると、先進国の普通の人はどうやって食っていけばいいのか。著者は教育が重要だといいます。やりたいことを実現するための手段は、技術の進歩でどんどん安くなるし、インターネットにより世界中の技術にアクセスできるようになっている。大事なのは、やりたいこと、実現したいことを考え出すイマジネーション。それと分野をまたがっていろんなものを結びつける構想力。そのためには教育が重要になっていくといいます。
ガバナンスは、フラット化する世界の中でビジネスをやりやすくするために規制緩和が大事だということ。会社設立の手続き、破産の手続き、従業員採用、解雇の手続きを迅速に進めること、契約を確実に守らせるための裁判制度、賄賂をとらない公務員、これらのことが、ビジネスの活性化に重要だといいます。
長期的な視点で見ると、一国の経済力を左右するのは、教育とインフラへ投資だというのは面的に賛成。もちろん、中身は時代に合わせてどんどん変えていく必要はあるけれど、特に教育は大事だと思う。
読んで見てはじめてわかったけれど、この本はここ数年の政府の経済認識にかなり影響を与えているような気がする。
- 作者: トーマスフリードマン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/01/19
- メディア: 単行本
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