マーケットデザイン 最先端の実用的な経済学

この本に書いてあることを、誰かに話したくてしょうがない。


マッチングとオークションの仕組みについて、具定例で段階を踏みながら丁寧に、大変わかりやすく説明してあります。少し時間はかかりますが、自分で例を追いながら読むとおもしろいです。


具体的なマッチングの応用例として、学生と寮の部屋とのマッチングが登場します。部屋を割り当てられている学生が、どんな方法で部屋換えすれば、みんなが満足できるでしょうか。ここで出てくるのが、トップ・トレーディング・サイクル・アルゴリズムTTCアルゴリズム)です。


1、2の3で、みんなが同時に自分が移りたい部屋を指差し、交換できる組み合わせが成立した場合はその人達で部屋交換してその場を立ち去ります。残った人達でまた、1,2の3で移りたい部屋を指差して、交換できる組み合わせができた人達どうしで交換する。以下繰り返し。1対1の交換だけでなく、3人以上でもOK。AがBへ移りたい、BがCへ移りたい、CがAへ移りたいと表明した場合は3者で交換することになります。

こうすると、
 -個人合理性:誰も今より嫌な部屋には移らない。
 -パレート効率的:最終的な結果をどう入れ替えても、誰かの満足を減らすことなしに誰かの満足を増やすことができない。
 -対戦略性:自分の気持ちを正直に表明することが一番得することになる。周りの人の出方を読んで小細工(戦略的行動)する必要なし
を満たすマッチングを実現できるそうです。


これで、実際に席替えとか、プレゼント交換とかしたら面白そうです。どこかで実際に使ってみたいアイディアがいっぱいです。

マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)

マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)