原始仏典第五巻 中部経典Ⅱ
これまでにも何度も登場し、五巻にも出てくる原始仏典の二つの考え方を紹介します。
「無記」
世界は時間的に有限か無限か。世界は空間的に有限か無限か。生命と身体は同一か別か。如来は死後存在するか否か。これらについての見解を求められるとブッダはわからないとしか答えない。どうして答えないのかと問いつめられると、このような問題は苦をとりのぞくのに何の役にも立たない。解脱に資することなく無益であるからと答える。例えば、毒矢だ刺さった人がいたとして、その矢がどこからとんできたとか、誰が放ったとか、どんな材質で出来ているのかということを議論しても何の役にも立たない。まずは毒矢を抜いて命を救うことが大事じゃないか。と説く。ブッダはこのような形而上学的な問いには何もコメントしなかったということで、「無記」と言います。
「五蓋(ごがい)」
瞑想の邪魔になる5つの煩悩のこと。
- 貪欲
- 怒り
- こころの落ち込みと眠気
- こころのたかぶりと後悔
- 疑い
まず、この5つの煩悩から遠ざかるようにして日々暮らしなさいと説き、このあと、瞑想の4つの段階を説明していきます。
生老病死という苦を取り除くための手順を原始仏典はマニュアルのように段階を追って説明しています。