つぎはぎ仏教入門
学生の頃に好きでよく読んでいた呉智英さんの仏教入門。「はじめに」で次のような問いが投げかけられる。
ところで、仏教のそもそもの宗祖は釈迦である。釈迦はその弟子や信徒たちと、どんな仏像を拝み、その前でどんなお経を唱えていたのだろうか。
釈迦の時代に仏像もお経もない、が答え。あたりまえだ。釈迦を象ったのが仏像で、釈迦の言葉を集めたのがお経なので、釈迦が生きているときにはある分けないのだ。しかも釈迦はすべては時とともに変わって行く状況に過ぎない。物にこだわるなと行っているので仏像などありがたがるはずがないのだ。あたりまえだけど言われないと気がつかない。著者らしいヒネた導入だ。
内容は至極まっとうな仏教の紹介だ。釈迦の言葉の解説。大乗仏教と小乗仏教に分かれたいきさつ。日本の密教、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、禅宗についての解説、日本の仏教を再生するためにはどうしたらいいか。の提言に続く。仏教をざっくり知りたい方におすすめです。