戦争請負会社

必要最小限の機能のみをもつ政府の例えとしていわれる、「夜警国家」。国は警備と防衛だけをやってればよろしい。それ以外の余計なことはするな。と言ってたら、現実はもっとすすんで、警備や戦争を国に変わってやってくれる「戦争請負会社」が勢力を伸ばしているそうだ。


ボスニアコソボイラクで、アメリカ軍の兵站を担ったのは、民間企業。物資の輸送、兵器の整備、軍の訓練、コンサルタント。すべて民間企業が取り仕切っていたそうだ。アフリカでは、ダイヤモンド鉱山の採掘権を与えることを条件に戦争請負会社が戦闘機部隊1編隊を用意するとのこと。金があれば誰でも軍隊を雇うことが出来るそうだ。


こうなった原因は、冷戦の終了である。冷戦の終了で軍備を縮小したため、大量の軍人と兵器が市場にあふれることとなった。軍は予算が縮小されるため、外注化を余儀なくされ、民間企業に武器の整備などの後方支援などを委託することになった。


よく考えてみれば、暴力装置のほとんど全てを国家が押さえていたのはたかだか、この150年ほどのこと。「傭兵部隊」「外人部隊」など金で雇われた軍隊にたよって戦争をしていた記録は古代エジプトの人類の歴史の記録の最初からある。フリーランサー(自由な槍)ということばは、金しだいで自由に雇われる傭兵に由来しているそうだ。


軍隊でさえ外注化できるなら、通常の行政組織がやってることなど何でも外注化できそうな気がしてくる。

戦争請負会社

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