梅棹忠夫語る

今年の7月に亡くなられた、梅棹忠夫さんの言葉を聞き書きした本です。大阪、万博公園にある民俗学博物館の館長をされてました。著書はたくさんあり、岩波新書の「知的生産の技術」が有名です。


たぶん、ご本人がたくさん語られた事を新書一冊にぎゅっとまとめたからなのか、話題が幅広くそれぞれのテーマをもっと彫り下げて読みたいと感じます。他の著書も読んでみたくなりました。気になった言葉を抜き出すと、

小山 知的生産というのを評価できていないのですね。梅棹さんはずっと、「日本政府は唯物論政府や」と言っておられましたね。

梅棹 ポスターをつくるのに、紙代と印刷費は出る。だけど、デザイン料あついてない。デザイン料という概念がなかったんやな。デザインはいったいどうなるのか。だれがどうやってつくるのか。

印刷費のおまけ程度にしかデザインが扱われていないのは今もあんまり変わっていない。大事なのは伝えるためのデザインであって、印刷はどこでやっても大して変わらないはずなのに。

青年というものは、なんとなく自分を中心に世界を回転させているものである。それがじっさいは、自分ぬきで世界はうごいているのだ。わたしは謙虚な気持ちになるとともに、ふかい虚無感をいだくようになった。

自分ぬきで世界が動いていると思うと、気楽になります。すきにやればいい。

梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ)

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