ニッポンの風景をつくりなおせ

この前の日曜日に信楽に行ってきたのは、この本の著者、梅原真のお話を聞いてみたいと思ったから。高知県で活動されているデザイナーで、一番有名なのは「馬路村のぽん酢醤油」のデザインでしょうか。地域の農産物を活用した商品を手がけて、次々とヒットさせている人です。信楽焼の若手の作家さんたちのグループの集まりが呼んだのでしょうか、「地域を元気にするデザイン」というテーマで輪島の桐本泰一さんとの対談でした。信楽も他の伝統工芸品の産地と同じく、マーケットの規模はどんどん縮小して大変なことになっているようです。それをデザインの力でなんとかしたいというのが、会の趣旨だったようで若い作家さんと思しき人たちがたくさん来ていました。


信楽の良さは狸の置物でないでしょ。一回たぬきを全部隠してみたら。」「どうやったら、作った人と買う人との間のコミニュケーションが発生するかを考えてデザインする。コミニュケーションをデザインする。」「地域には、それぞれの良さがある。地名を声に出して言ったときの響きそれ自体も地域の良さ。それを活かさなあかんでしょ。信楽という地名はうらやましい。」あまり気を遣わずに、ごろりとした言葉を投げかけているようで、実は、デザインと同じく、細心の注意を払ってお話されていることが感じられました。


この本は梅原さんのこれまでのデザインを写真付きで紹介しています。「漁師が釣って、漁師が焼いた」鰹のたたき、「しまんと地栗」「秩父カキシブ男の石鹸」とか「伊勢手掘りあさり。ぷりぷり」って聞いただけで買ってみたくなるでしょ。

ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景

ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景