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世界を救う処方箋 「共感の経済学が世界を救う」

ボリビアハイパーインフレを退治し、自由化後のポーランドやロシアなど各国の経済政策のアドバイザーを努め、世界から貧困をなくすために何ができるかを提言してきたジェフリー・サックスが、アメリカの貧困問題について書いた本です。

アメリカの最富裕層1%の所得が下位50%の所得の合計よりも多い。最富裕層1%の自己資本の合計が残り90%の世帯の合計よりも多い。というようなとんでもない所得格差を緩和していくことが、アメリカの貧困問題の解決に繋がる。富裕層への増税、公的医療制度などのセーフティーネットを充実させて所得の再配分を進めるべきだというのが著者の主張。

この本の中で、私がハッと思った、今まで気付いていなかったと自覚したのは以下の部分。1980年代にレーガン政権以降に「小さな政府」を目指す政策がとれれ、所得再分配に果たす政府の役割が低下していった理由。貧富の差の拡大を容認してきた理由について、

ワシントンの変化に重大かつ持続的な役割をはたし、より直接的に結びついていると思われる四つの動きに注目してみよう。第一は公民権運動である。それは、アフリカ系アメリカ人の経済的、社会的地位を大いに改善することにつながっただけでなく、とりわけ南部の白人による政治的な巻き返しにもつながった。第二は、ヒスパニック系移民の増加によって新たな民族の分裂が生じたことだ。第三にしておそらく最も重大な変化は、サンベルトの人口増加と経済発展である。それはアメリカの政治の中枢に新たな活動領域と価値観をもたらした。そして、第四は、アメリカの郊外化と階級による住み分けが政治の分裂を招いたことである。

1970年代までは、アメリカも政府が社会保障で積極的に役割を果たすべきだという世論が強かったのに、どうして変わったのか。公民権運動や移民の増加によって、政府がケアしなければいけない人が大幅に増えたことを危惧した人達の政治的巻き返しがあった、そして巻き返しをしようとした人達が多かったサンベルト地帯へアメリカの社会的、経済的な重心がい移動したことで、彼らの「政府の役割を小さくしてしまえ」という意向が、アメリカ政府の意向に反映されるようになったのかと思った。

世界を救う処方箋: 「共感の経済学」が未来を創る

世界を救う処方箋: 「共感の経済学」が未来を創る