経済成長って何で必要なんだろう?
経済学者の飯田泰之の対談集。派遣村の湯浅誠さんも登場します。書いてある事のまとめ。
- 社会問題と経済問題をこんがらがったまま議論しないこと。経済問題は経済問題ととして対処すべき。
- 若者の貧困、雇用問題は2.5%程度の経済成長を維持することで解消可能。
- バブル崩壊以降の低成長は、需要不足が原因の景気循環の問題。適切な金融政策で需要不足を解消すべき。
- 役所が下手な経済政策でお金を使うのは無駄。どんな業種、ビジネスが成長するかなんて誰にもわからない。法人税を低くして自由な経済化活動の基盤を整えるべき。
- 自由な経済活動の結果、格差が広がるのを避けるため、所得再配分の仕組みは必要。
- 日本の所得再配分の制度は、格差を拡大する方向に働いている。再配分前よりも後のほうが格差が大きくなっている。東京に住む、お金のない若者から徴収して、地方の裕福な老人に配分している。
- 社会保障は最低所得保障の仕組み(ベーシックインカム)に一本化するのがいい。
- 構造改革による不況を耐え抜くことで、非効率な弱い企業が淘汰されて経済全体の地力が高まるというのは嘘。不況になると、新興企業からつぶれる。古い実績のある企業ほど、過去の蓄積があるので資産を切り売りしながら生き残ることができる。
- そもそも、不況でセーフティネットもない状況でリスクを負って起業しようという人は少ない。需要不足を解消して経済活動を拡大していくことが大事。