静かな正月

大学受験が目前の息子の生活リズムを崩さないようにと、今年のお正月は私の実家にも妻の実家にも行かずに金沢で過ごしている。こんなことは初めてだ。中一の娘だけは家族代表で大阪の妻の実家に預けてある。

 

8時頃にお雑煮を食べる。今朝は、おすましに丸餅、具はかまぼこと生麩と小松菜だけのシンプルな雑煮。私の実家風。

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昨日酒屋さんでもらった屠蘇散を一晩お酒に浸けて準備したお屠蘇は、甘いシナモンの香りが 効いていて意外と美味しい。棒鱈や昆布巻き、松前漬け、栗きんとんなど定番のおせちでお酒をたらふくいただいて気持ちよくなる。

 

一息入れたところで、辻占を引く。辻占とは石川県のお正月には欠かせないフォーチュンクッキーのような占いが中に入ったお菓子。妻によれば3つ引いて、その言葉を組み合わせて今年一年の運勢を占うらしい。私の結果がこれ。

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腹ごなしに近所の浅野神社に初詣に行き、そのついでに兼六園まで歩くことにした。途中雨に降られたけれど、兼六園に着いた時には青空が顔を出し霞ヶ池の水面に映る。

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兼六園を出て広坂、香林坊まで来てお茶でも飲んで休憩しようと思ったが、どこのお店も開いていない。明日2日からのところが多いようだ。日差しも出て気持ちいいのでそのま、せせらぎ通りを歩いて武蔵ヶ辻へ。コメダ珈琲店に行ってみるとたくさんのお客さんでほぼ満席。コーヒーとシロノアール(ミニ)で休憩。

 

コメダ珈琲店から家まで再び歩いて合計2時間半。家ではどちらもテレビを見ることなく、年賀状を見たり、昼寝したり、本を読んだりと至って穏やかで落ち着いたお正月。

 

ようやくお腹も空いてきたので、そろそろ飲みなおそうか。

百年の孤独

 年末の休みに入ってから読み続けて今朝ようやく読了。

 

コロンビアの作家でノーベル賞を受賞したガルシア=マルケスが1967年に発表した作品。マコンドという架空の都市がジャングルの真ん中に建設されて繁栄し、その後ジャングルにのみこまれて荒廃するまでの約100年間と、ある一族の盛衰の物語とを重ね合わせて描いていく。

 

ジャングルの低地に建設された都市のむせかえるような湿度や、人々の汗臭い臭い、家を蝕んでいく白蟻や、蠍、蜥蜴(トカゲ)、蚯蚓(ミミズ)。その中で一族の男たちは、練金術に入れあげる者、反乱軍のリーダーとなって政府に追われる者、家畜を飼って財産をなすが度を越したどんちゃん騒ぎで散財する者など、何か過剰のところを持っている。彼らは結局夢破れて家に帰ってきて引きこもる。家を支えるのは、一癖も二癖もある女たち。

 

約100年間の、6代にわたる一族の物語、しかも、男は世代が変わってもアルカディオかアウレリャノという名前が何度も登場するので親族関係を確かめながら読もうとするとややこしくて、なかなか小説の世界に入っていけなかった。終盤になって熱帯の自然の過剰さと、何かしらやり過ぎてしまう一族の過剰さ加減に身を任して浸るだけでいいやと割り切ったら何とも心地よかった。

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

 

大根のきんぴら

昨日、妻がコストコで2kgの豚バラのかたまりを買ってきた。半分はパンチェッタを仕込んで半分は豚バラ大根と鍋にして少しずつ食べることにした。

 

豚バラ大根の準備に大根2本を2センチくらいの厚さで輪切りにして、皮を厚めにむいく。大根と下ゆでした豚バラ肉、昆布、水を鍋に入れ火にかけて準備完了。あとはじっくり煮込む。

 

ここまで来たところで、残った大根の皮がどうにももったいなく思えてくる。金沢駅前の居酒屋さん「勝一」のお惣菜にこんなのがあったとふと思い当たり、きんぴらにすることにした。細く切った皮、鷹の爪の輪切りをごま油で炒める。しんなりしたら醤油、酒、みりんで味付けして完成。

 

甘辛い味でご飯のお供、お酒のあてにぴったりです。

 

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風呂場の修理

 風呂場の天井と壁のつなぎ目を覆っていたテープがカビてボロボロになり剥がれ落ちてから1年。妻から早く修理してくれと言われていたのだが、どうやって修理すればよいのやらわからず先延ばしにしてきた。先週末に妻から、なんとか今年中に修理するようにとの最終通告があり、覚悟を決めて修理することにした。

 

近所のホームセンター、「スーパーセンタームサシ」に行って修理に使えるものがないか探す。各種テープ類売り場に洗面台や浴槽と壁の隙間を埋める防水テープが売っていたのでこれを購入。以前貼ってあったテープのシールをきれいに剝がすために、剥離剤と、金属製のヘラも買って家に戻る。

 

まずは、剥離剤を古いシールに塗りつけて乾かないようティッシュペーパーでパックする。そのまま30分放置してからヘラでこそげとる。有機溶剤の匂いが浴室にこもってしばらく作業していると目が回りそうだ。一通り剥がしてから再度テュッシュペーパーに剥離剤をつけて仕上げに拭きあげる。その後で、重曹を溶かした水を霧吹きで吹き付けてから雑巾で水拭きする。

 

水分が十分に乾いたのを見計らっていよいよ防水テープを貼っていく。2ミリぐらいの厚さのシール材を隙間に押し込むようにしてズレないように貼っていく。テープ貼り自体は10分ほどの作業だったが、下地の掃除に2時間近くかかった。

 

風呂場に入るたびに気にかかっていた、天井と壁の隙間がきれいに埋まったので、これからは気持ち良く入浴できそうだ。

バブルの思い出

世の中との折り合いがうまくつけられず、1年くらい大学にいかずにぶらぶらしてたけれど、さすがにこのままじゃまずいと思い、かといって大学に行く気にもなれず、リハビリがてらバイトでもしようと思ったのが、1989年の12月初め。人と会話するのが嫌だったので、宅配便の配送センターで荷物の仕分けのバイトを始めた。夜の10時から朝7時まで。お歳暮やらクリスマスプレゼントやらで一番忙しい時期で、仕事はハードだったけれど、体を動かすことの爽快さと、とりあえず人の役に立っていることの充実感で休みもせず毎日通っていた。

 

24日も仕事。出勤するため阪急電車の梅田駅を降りて、JR大阪駅に向かう動く歩道を行く。帰宅ラッシュの時間で、クリスマスケーキを持って家路を急ぐサラリーマンやパーティ帰りの人たち、仲よさげなカップル達が、動く歩道に鈴なりになってこちらに向かってくる。自分はこれから底冷えがする倉庫で朝まで仕事だというのに、みんなやけにご機嫌だ。

 

自分だけが世の中から取り残されてしまった、この先どうなるんだろうという不安感が半分とこんな人たちと一緒にされてたまるかという反発する気持ちが半分。職場に向かったことを思い出す。

天満酒蔵

出張の帰り道、サンダーバードに乗る前に立ち寄った。大阪の天満は立ち飲み屋が軒を連ねるが、ここは座って呑める。瓶ビール大瓶が350円と値段は立ち飲み屋さん並み。ビール大瓶1本、燗酒、生中、野菜天ぷら盛り合わせ、きずし、鮭のあら炊き、関東煮4品盛り合わせ、トマトスライスで2,160円でした。安いわ。

 

お姉さんのぶっきらぼうだけどテキパキした接客も悪い気はしない。大変居心地のいい酒場です。

tenmasakagura.com

うめぼし電車

仕事で和歌山市まで行ってきた。サンダーバードで大阪まで2時間50分、大阪から和歌山まで紀州路快速で1時間15分、和歌山から和歌山電鐵で10分。遠かった、疲れた。

 

でも、和歌山電鐵は面白かった。行きの電車はクリスマスの飾りつけや近所の幼稚園児のサンタの絵も掲示されていてほのぼの。帰りはうめぼし電車が来た。我を忘れてたくさん写真を撮った。

 

終点の貴志川駅には、猫のたま駅長が勤務しているとのこと。 

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大掃除

いつかはやらなければ、と思いつつ先延ばしになっていた台所の換気扇周りの掃除をした。半年に一回はレンジフードを取り外して中の油をふき取らないと、フードの隅に油がたまって台所が油くさくなる。

 

先ずはホームセンターへ洗剤を買いに行く。いろいろあって迷う。セスキの炭酸ソーダというのが流行っているのかたくさん置いてあった。よくわからないので、売り場で一番強そうな名前の一番高い洗剤を買った。リンレイのウルトラハード油汚れ用。

リンレイ ウルトラハードクリーナー 油汚れ用 700ml

リンレイ ウルトラハードクリーナー 油汚れ用 700ml

 

 

去年、家を建てて15年目にして初めてレンジフードを分解できることが分かったので、掃除自体は簡単。ネジを緩めてフードを取り外し、全体に洗剤を吹き付けて雑巾で拭き取るだけ。ただし、積年の油が隅にべっとりとたまっていたので、きれいに取り除くのに少し手間取った。ついでにガス台の焦付きとシンク周りの油汚れも掃除して、ステンレス部分はクレンザーで磨いておく。

 

やり始めるといろいろ気になり始め止まらなくなる。やかんが真っ黒だ。ネットでやかんをきれいにする方法を調べると、汚れの正体は油が焦げて表面にこびりついたものとのこと。大きな鍋にやかんを丸ごと入れて重曹を入れたお湯で煮て冷めるまで放置しておけとある。

 

10年前にコストコで買った5キロ入りの重曹がまだ残っているので、早速やってみた。適当に重曹を放り込んだ水で10分ほどやかんを茹でる。温度が上がるにつれて炭酸水のような泡が出る。冷めてから、アルミホイルをくしゃくしゃに丸めたもので表面を撫でると、あら不思議、焦げがぺろりんと剥がれ落ちた。擦るまでもない、撫でるだけで十分。汚れが打ち上がっているので取っ手と本体の接続部分など入り組んだ所も竹串で少し突くだけできれいになった。今までどれだけゴシゴシと磨いても取れなかった汚れが、あまりに簡単に取れて驚いた。重曹(=炭酸水素ナトリウム)には油を乳化したり、たんぱく質を分解する作用があるそうだ。

 

これで毎日気持ちよくお湯を沸かせる。

空気感

仕事でいろんな会社を訪問するようになって10年。会社のことは、何はともあれ実際にその会社に行ってみないと本当のところはわからないと、最近つくづく思う。報告書を読んでも、決算書を見ても、新聞記事を見ても、ネットの評判を見ても、伝わってこないことがある。先日も不調が伝えられるとある企業を訪問してきたが、全然大丈夫、2、3年のうちに復活するだろうと思った。

 

社長さんに1時間みっちり話を聞く必要はない。敷地に入って駐車場の車を見る。玄関で守衛さんや受付の人に用件を告げて簡単に言葉を交わす。飾ってある絵や会社のスローガン、製品の展示などを眺める。打ち合わせ場所に案内される時に何人かの従業員と挨拶を交わす。廊下の掲示物や掃除の具合を見る。担当の方を15分くらい話をする。

 

それだけでも、その会社に勢いはあるか、従業員の士気は高いか、なんとなくわかる。ピリピリした雰囲気なのか、和気あいあいとした社風かわかる。ギリギリの判断をするときには、そんな感覚が役に立つ。「あの会社は今は財務状況は悪いけれど、従業員の士気は高いのでなんとかなるだろう。」逆に、「あの会社は業績はいいけれど従業員は疲れ果てて殺伐としているので気をつけたほうがいい。」とか。

 

大事なのは全体として伝わってくる場の空気感だ。それはどんなに言葉を尽くしても伝えきれないけれど、その場に行けばすぐわかるという類いのものだ。

 

意識する、しないに関わらず、その場に立って五感から得る情報と、他人が言葉で切り取った報告から得る情報とには、量に圧倒的な差があるのだろう。報告書には報告書の文脈に沿った情報しか書かれていないし、新聞記事には新聞記事にふさわしい情報しか掲載されない。だからこそ、文脈に沿って効率的な情報の受け渡しができるのだろうけれど、そこからはみ出してしまい汲み取れない情報も当然ある。

 

現場に行ってみないとわからないし、人には会ってみないとわからない。

東山散歩

この時期の金沢には珍しいポカポカ日和。息子は塾、娘は友達と遊びに行ったので、妻と二人で東山方面に散歩に出かけた。小橋から浅野川の左岸を主計町に向かう。主計町もお店が増えたなぁ、とか言いながら大橋を渡る。最近できた地ビールのお店で軽く飲んで行きますか、という事になり、オリーブの盛り合わせをつまみながらお店で醸造しているヴァイツェン箕面ビールのスタウトを飲む。妻はオニオングラタンスープ。店舗と醸造所の間はガラスの扉1枚で隔てられているだけなので醸造所の作業の様子が見える。中の人が大きな軽量カップのようなもので泡立つ液体を汲み出して味見されていたので、羨ましそうな顔で見ていたらこちらに来て、作業の内容を説明してくれた。新しいレシピを試しているとのこと。醸造に使うホップを嗅がしてもらった。さわやかないい香り。

 

いい気持ちになったところで東山のメインストリートへ向かう。天野茶店で棒茶を100グラム購入。早朝の台所で鉄瓶でお湯を沸かしてお茶をいれるのが冬の間の楽しみ。メインの通りは沢山の観光客で向こう側が見通せないくらいの賑わい。中国語や英語も飛び交う。

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宇多須神社の横の坂を登り宝泉寺に向かう。ここから東山、橋場町が見渡せる。

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涅槃像も午後の日差しを浴びて気持ち良さげ。

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宝泉寺から卯辰山を登り望湖台に行く。ここからは金沢の街が一望できる。遠くを走る新幹線や日本海も見える。見晴台でおしゃべりする人、体操する人など意外な賑わい。

 

再び東山に戻りエルパソで一服。私はチョコレートタルト、妻はエスカルゴという名のナッツのクリームとメレンゲのケーキでコーヒーを飲む。ここは、東山の入り組んだ迷宮の最深部にあるので、ここを目指して来る人しかたどり着けない場所。グランドゴルフ帰りの近所のお年寄りが集団でお茶しに来たり、小学生が小銭を握りしめてシュークリーム食べに来たりする。

 

沢山歩いたけれど沢山食べてしまった散歩でした。

この世界の片隅に

もう一週間前の話だけれど、富山に行って「この世界の片隅に」を見てきた。評判通りいい映画だった。

 

今まで戦争といえば、一億火の玉となって戦争に邁進していたか、ただただ悲惨な日々を我慢して過ごしていたかの、どちらかが強調されるばかりだったが、そこからすっぽり抜け落ちていた当時の普通の人の日常生活が、詳細にわたる時代考証の裏付けのもと描かれている。

 

今の私の生活とそんなに変わらない日常生活があった、今と地続きの普通の暮らしがあった。だけれども、戦争を止めることはできなかった。と思うと、戦争に向かってしまう時代の流れへの抗いようのなさが迫ってくる。

 

当時を生きたわけではないので、本当のところはよくわからないけれど、時代の気分がすくい上げられているように思う。母親にも見せて感想を聞いてみたいと思った。

konosekai.jp

 

ピュリナワン Dash Button

ガラクタ好きの血が騒ぎ、ボタンを押すだけで注文が完了するというアマゾンのダッシュボタンを買ってみた。

 

買える品物は、猫の餌ピュリナワン。ホームセンターまで車で買いに行くのが面倒で、しかもお店に行ってみたもののほしい商品が品切れだったりすることもあるので、ダッシュボタンにぴったり。ボタンは500円するけれど、その分は最初の注文金額から引かれるので実質無料。

 

ダッシュボタンが届き、説明書を見ながらiPadでアマゾンのアプリを立ち上げて、設定しようとするが、うまくいかない。パソコンからアマゾンのページを開いてもやり方がわからない。1時間くらい悪戦苦闘してから、もしやと思い妻のスマホを借りてやってみたら、あっさり出来た。スマホのアマゾンのアプリからでないと設定できないようだ。

 

早速ダッシュボタンを押してみようかと思ったが、あいにく買い置きの分がたくさん残っている。とりあえず、猫に使い方を教えてみました。

ピュリナ ワン Dash Button

ピュリナ ワン Dash Button

 

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錆と人間 ビール缶から戦艦まで

 自由の女神、飲料の缶、戦艦や戦闘機、橋、アラスカの原油パイプライン。これらは皆、技術の粋を集め莫大な費用をかけて錆から守られている。アメリカにおける錆による被害額は年間40兆円以上とも言われる。人間と錆との戦いやステンレス鋼の開発の歴史、さらに錆の美しさに魅せられた写真家など、錆にまつわるあらゆることが登場する。

 

例えば飲料の缶は、中に入れる飲み物の成分によって缶の肉厚が違うし缶の内側をコーティングするエポキシ樹脂の成分や厚みも変えてあるそうだ。新製品の場合、飲料を缶に入れて数ヶ月放置して耐久性を確認するらしい。ビールやオレンジジュースはアルミ缶に優しい飲み物で、ある種のエナジードリンクはものすごく腐食性が強いそうだ。

 

アラスカの原油パイプラインでは錆を探知するために、ピグと呼ばれるロボットを総延長1300キロのパイプラインの中、原油の流れに乗せて走らせる。パイプラインが腐食し原油が漏れると環境への影響や原油の輸送に滞ることによる経済的損失は計り知れないためパイプラインの管理責任者の責任は重大だ。ピグの現在地を追跡するために一ヶ月間アラスカの原野を走り回る。

 

トタンは鉄を亜鉛でメッキしたもの。表面に傷がつくと亜鉛が先に錆びることで鉄を腐食から守る。ブリキは鉄を錫でメッキしたもの。錫は鉄より錆びにくく鉄を錫で外気から密閉することで腐食を防ぐ。

 

と、いうような簡単な技術的なお話もあるが読み物として気軽に楽しめる本です。

錆と人間 (ビール缶から戦艦まで)

錆と人間 (ビール缶から戦艦まで)

 

 

宝泉寺からの眺め

この時期にしては珍しい晴天。明日、日曜日は雨との天気予報なので、朝ごはんを食べてから散歩がてらジョギングに出かけた。東山の茶屋街を抜けて浅野川沿いを上流に鈴見橋まで走って折り返す。常盤橋で浅野川の右岸に渡り、植木屋さんが公園の樹木に雪つりを施す横をすり抜け、常盤緑地へ続く坂を登る。傾斜が急なのでここからは歩く。芝生の広場を過ぎて更に登る。紅葉はもうほとんど散ってしまい冬の景色。卯辰山公園線に出て、そこから東山への下る道をたどる。この辺は赤い葉がところどころ残っていて、午前10時の柔らかな日差しが透過して鮮やかに輝いている。

 

「茶寮卯辰かなざわ」へ入る道路から子来町へ降りていく。途中に宝泉寺の案内板が目に止まる。この道は何度も通っているけれど、宝泉寺には一度も立ち寄ったことがなかったので立ち寄ってみる。お地蔵さんが並ぶ参道を50メートルほど行くと、眺望が開ける。遠くに金沢城兼六園を望み、目の前に並木町のマンション群が立ち並ぶ。眼下に大橋から梅の橋、天神橋までの浅野川が流れる。その手前には、東山の町屋の黒い甍が広がる。テレビ番組で金沢を紹介するときにまず最初に登場するあの景色だ。しばらく景色に見とれるてから引き返す。参道にたくさんあるお地蔵さん一体ずつに小さな野花が手向けられている。

 

今日も観光客で賑わう東山の茶屋街を横目で見ながら帰宅。所要時間1時間。

摩利支天 宝泉寺

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懐かしい友達

アメリカのシリコンバレーと呼ばれるあたりに住んでいた頃の友達が我が家に遊びに来てくれた。同じアパートに住む日本人同士ということで仲良くしてもらっていたご夫婦だ。ろくすっぽ英語が喋れない我々夫婦をレストランに連れて行ってもらったり、サンクスギビングには七面鳥を焼いてご飯を食べたり、奥さん同士でコミュニティカレッジに通ったりと3年足らずだったけれど、楽しく過ごさせてもらった。

 

「いらっしゃい。お久しぶりです。」と言って玄関でお迎えして、顔を見た瞬間に一気にアメリカに住んでいた頃に戻ったように感じた。その間にお互い仕事も変わりいろいろあったけれど、そんなことはすっ飛ばして、その頃に戻ったような不思議な感じがした。

 

せっかく冬の金沢に来てもらったので、香箱蟹とズワイ蟹をたくさん用意した。鰤とイカのお刺身、おでんも食べてもらった。再来年はアメリカから帰ってきて20年になるので、今度はアメリカでreunionしようという話で盛り上がる。

 

二次会は金沢らしいところということで、主計町の日本酒バーにご案内する。久しぶりに普段身につけている鎧を脱ぎ捨ててリラックスできた。息子にもいつになくよくしゃべっていたと指摘されてしまった。

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kazoe-sake.com