藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義

為替先物、為替先物金利先物金利スワップ、債権オプションなんかについて、ざっと知りたい人にはおすすめです。私も、先物とかオプションは、なんとなくこういうことだろうなと想像はしていたのですが、具体的に金融機関がどんな取引をしてもうけているのか、企業がどういうふうに活用しているのか、わからないままにほったらかしにしてありました。この本を読むと、ひととおりわかった気になれます。数学の知識がなくても読めます。。


日銀の量的緩和についても触れているのですが、、量的緩和政策の以前は、日銀の当座預金に必要以上の残高(準備率以上の残高)を残すと、日銀から、「多すぎるから減らせ」と電話がかかってきたという話があります。量的緩和政策以降は、電話がかかってこないのと、市場金利がほぼゼロなので、放っておいても当座預金残高がつみあげるような状況になったとのこと。

量的緩和の話を考えると、何が原因で結果なのか、混乱してよくわからなくなります。日銀にうまく言いくるめられているだけのような気もします。

量的緩和政策とは、
 ・日銀当座預金を積み上げるくらいに資金をじゃぶじゃぶに供給→金利ゼロ→銀行貸出=企業の設備投資を促す
ということになっていますが、
 ・景気悪い、企業が金を借りてくれない→金利ゼロ→結果として日銀当座預金がつみあがる
だけで、景気を刺激する効果はなかったのではないか、とも思います。

ただ、金融不安が深刻だったころには、不安心理を抑えるために、見せ金を積み上げるために必要だったのかとは思いますが。


最近の光文社新書の経済・経営関係は充実ぶりはすごいです。最近私が読んだ中では、「経済物理学の発見」、「スティグリッツ早稲田大学講義録 グローバリゼーション再考」も面白かったし、今月発売の、「行動経済学」も面白そうです。

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書)

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書)