25〜26歳頃、お茶をしばらく習っていたこともあって、焼き物(陶磁器)にはまっていたことがあります。


休みになると、上野の国立博物館や、青山の根津美術館にいったりしていました。中野のブロードウェーの3階だか4階の奥のほうに何件かあった骨董やさんをひやかしに行くのも好きでした。


妻には「壷でも見に行こうよ。」って誘うのですが、全く興味がなかったらしく何回か付き合ってくれたあとは、ひとりで見に行くことが多かったです。人もあまり来ない、すこしかび臭い国立博物館の展示室で中国青磁の馬蝗絆(ばこうはん)に向き合っていると幸せな気分になれました。


そのころは、日本の土物よりも、中国の青磁や朝鮮の白磁のような緊張感のあるものが好きだったので、大阪の東洋陶磁美術館には東京から見に行きました。青磁や白磁の展示は充実していました。木の葉天目は、葉っぱの葉脈一本一本がきれいに器に写されていて、どうやって作ったのか不思議です。


どこかの骨董やさんで、「漠然と見るんじゃなくて、好きなもの1つだけ持っていっていいって言われたら、どれもらうか考えながら見るといいよ。」と言われました。たしかに、漠然と見ていると人ごとですが、自分のものにするつもりで見ると、いろんなことが目に入ってくるような気がします。


お金もないので、たまにぐい飲みや小皿を買うくらいですが、気に入った器を日常生活に使うといい気分ですよ。