アナログ・ブレイン 脳は世界をどう表現するか?
私が見ているトマトの赤と、他の人が見ている赤は同じなのかって考えたことないですか。極端なことを言えば、まったく正反対、ネガとポジのように見え方が違っていても日常生活に不都合なないんだよなぁとか、もしかしたら、自分が見ている世界と隣の人が見ている世界が全然違っているんじゃないかと考えることがあります。
この本は、目から光を取り込んで網膜上に映った画像を、脳がどうやって処理し、人に空間や色、動き、人の顔のような意味ある形を認識させているのかについて、素人にもわかりやすく説明してくれます。網膜に写った画像を単純に脳に送っているだけなのかと思っていましたが、脳は人間が生きていくうえで必要な情報を認識させるために様々な形で画像を処理しているそうです。
以下面白かったところ。
- 網膜上の2次元の画像から、我々の住む3次元の空間を認識できるようにする7つの方法。
- 昼間の太陽の下で見ると石炭と夜空に浮かぶ満月。光の反射率で比較するとどちらも同じくらい。でも石炭は黒、月は白だと感じるのはなぜ?
- 人間の目には手ぶれ(顔ぶれ)補正機能がついている。本を読んでいるときに顔を揺らしても字は読めるけれど、本を揺らすと字は読めない。(実験してみると確かにそのとおり。でも、人前で実験するとかなり変な人)
途中少し難しいところもありましたが、かまわずに、わかるところだけ拾っても面白く読めました。「見る」という簡単に思える事の裏に、こんなややこしいことがあるとわかっただけで良かったです。
- 作者: マイケルモーガン,鈴木光太郎
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2006/11/25
- メディア: 単行本
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