隣る人
わけあって親と一緒に暮らせない子供たちを預かるのが児童擁護施設。ある児童擁護施設の日常を8年間に渡って記録した映画です。ご飯を食べたり、お手伝いしたり、布団の中で保育士さんに絵本を読んでもらったり。日常生活が淡々と映し出されます。心ゆさぶられますが、説教くさくありません。
保育士のマリコさんと、ムツミとマリナという二人の女の子が登場します。ムツミとマリナはマリコさんを取り合って喧嘩します。どちらが絵本を読んでもらうか、どちらがマリコさんの布団で寝るのか。
ある日ムツミのお母さんが施設にやってきます。ムツミのお母さんは、ムツミと一緒に暮らしたいと一緒に外食に行ったり、運動会に行ったりして何とか彼女との関係を修復しようとします。でも、なぜだか上手くいきません。
うまく関係をつくることができない親子。必死で子供たちに寄り添おうとする保育士さん。誰がいいとか悪いを抜きにして、現実としてどうにもならないことがあって、それでもなんとかしようとする人達がいる。儲かるとか儲からないとか、効率がいいとか悪いとか、モノが売れるとか売れないとか、あたりまえだけど、そういうこと以外にも大事なことがあると気づかされる映画でした。