野菜コンソメスープ

「食べたくなる本」の中で、著者は、子供の頃母親が作ってくれた餃子の皮のクタクタ感と、ちゃんとした水餃子を初めて食べてもっちりした皮の食感に感動した話を書いていた。祖母が作る煮物や佃煮のような伝統的な和食が主流の中で、中華や洋食などを取り入れていった母親の料理を懐かしんでいるのだ。
 
私にとってのそんな料理ってなんだろう。まず思い浮かぶのは、コンソメ味の野菜とベーコンのスープだ。世の中にコンソメスープの素が出回り始めた頃から母が作ってくれた料理だ。コンソメスープの素を溶かしたお湯にキャベツや人参、玉ねぎ、ベーコンを入れて煮込んだ料理だ。胡椒をたくさん入れて食べるのが好きだった。ベーコンはその後粗挽きソーセージに変化した。
 
もう一つは、ナポリタンスパゲティ。ひき肉と玉ねぎを炒めてケチャップとウスターソースで味付けしたところに茹でたスパゲティーを投入し炒めるのだ。これを大皿にドンと盛り付け家族全員で突っつきながら、ご飯おおかずにするのだ。味付けに少し醤油を入れるとご飯にも合う。
 
今思えばどちらも安っぽい味なんだけれど、鰈の煮付け、葉っぱと油揚げの炊いたの、こんか鰊と千切り大根を煮た物などの昔ながらの料理の合間にあると、ものすごく嬉しかったことを思い出す。
 
他には、マルシンハンバーグ。ナスの間にチーズを挟んであげたもの、ピーマンの肉詰めなんかを子供向けに作ってくれていた。
 
コンソメ味の野菜スープは気が向くと自分で作る。今でもヒリヒリするくらい胡椒をたっぷり入れるのが好みだ。