クロード・シャノン 情報時代を発明した男

「通信の数学的理論」で、通信とは何かということについて数学的な理論づけをしたのがクロード・シャノン。情報の最小単位「ビット」を定義し、電信であれ、テレビであれ、無線通話であれ、具体の通信手段に関係なく、情報を遠方に送って、解読することの基礎理論を作った。効率よく情報を送るのであれば、冗長性を排除して情報を圧縮する。ノイズのある中で確実に届くように送りたいのであれば、冗長性を付加する。など。この本はクロード・シャノンの伝記。彼の理論の内容については簡単に触れるだけなので、そちらを期待するのならブルーバックスなどを読んだ方がいい。

 

シャノンは数学の才能豊かなのは当然として、彼の特徴はとにかく手を動かして物を作るのが大好きで得意だったこと。子供の頃は牧場の有刺鉄線を電線とした電信システムを友達の家との間に張り巡らせてみたり、研究者になってからも、チェスをうつ機械、迷路を駆け抜けるネズミ、ルーレットの当たり目を推測するためのウエアラブルコンピュータなど。興味の赴くままに様々なテーマに手を出し、しかも、どの分野においてもその後のブレークスルーに繋がるような成果をあげたそうだ。

 

 もう一つはジャグリングを楽しんだこと。数学者にはジャグリング好きが多いらしい。そういえば、ピーター・フランクルもジャグリングやってた。数学者でもないが、うちの親族で唯一理系に進学した長男は中学生の頃から、テニスボールでジャグリングの真似事をやっていた。ボール3つなら楽々。4つも少しなら扱えているようだった。

 

気軽に読み飛ばせる本。クロード・シャノンという人の人物像に興味ある人におすすめ。

クロード・シャノン 情報時代を発明した男 (単行本)

クロード・シャノン 情報時代を発明した男 (単行本)