原子力時代における哲学

第2次大戦が終わって間もない1950年代に「原子力の平和利用」という考え方が生まれ、広く世界に浸透する。時を同じくしてイギリスで世界初の原発が稼働を開始する。当時は核兵器は反対だけど、原子力の平和利用は賛成だという人が知識人も含めて大多数だったそうだ。

 

その中で、哲学者として唯一原子力の平和利用(原発)の危険性を指摘、反対したのが、 マルティン・ハイデッガー

 

この本は、なぜハイデッガー原子力の危険性にいち早く気づくことにできたのか、彼の「放下」という著書を読み進めながら解明していく。4回の講義録が元になっているので読みやすい。

 

中動態の話が出てくるので、自然を操作可能な対処物として扱うことが危険だということなのだろうか。さらっと読めるけれどさらっと読んだだけではもう一つ理解できていない。

 

もう一回じっくり読んでみる。

 

原子力が夢の技術として1950年代にもてはやされた雰囲気は、私の世代にもわかる。小学生の時に購読していた学研の「科学」に原子力の平和利用で夢の生活というような記事が時々掲載されたいた。

原子力時代における哲学 (犀の教室)

原子力時代における哲学 (犀の教室)