なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略

グローバルな土俵で戦う企業群(G)と、地域に密着した市場(L)で活動する企業群は、別の原理で動いている。地域に根を張った、医療や介護、教育、飲食、健康関連、小売などのサービス業の経済全体に占める割合がどんどん大きくなっているにも関わらず、グローバル市場で戦う製造業に向けた産業振興ばかりをやっていても地域はよくならないというのが著者の考え。


ローカル経済の企業は、労働生産性を向上させて高い給料を払えるようになるべきであり、非効率な企業の退出を促して企業の集約化を図るような政策を実施すべきだといいます。もちろん、外からお金を稼いでくるグローバルな市場で勝負する製造業も大事だけれど、全ての企業が世界に通用する企業になれるわけもないし、グローバル企業がいくら稼いだとしても、それによって恩恵を受ける人は一握りに過ぎない、ローカル経済の振興は別に考えるべきとのことです。


ちなみに、県民経済計算のデータによると、石川県の県民総生産のうち、農林水産業は約1%、製造業は約16%、その他はサービス業や小売業、不動産業など、ローカル経済が占める。就業者の人数でみても、第2次産業に従事する人に比率は約20%程度だ。


観光、医療サービスというのは、関わっている人の数や経済規模から見て、今後重要になっていく業種だと思う。産業としての観光、医療サービスの振興策を考えてみたいと思った。


なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書)

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