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吉田健一

正月休みの間ずっと読み続けてようやく読み終わった。


吉田健一は明治45年生まれ。吉田茂の長男。子供の頃は外交官であった父といっしょに赴任先であるロンドンや大連に行きイギリス人学校に通っていたらしい。完璧な英語を身につけ、英文学に詳しくて、文学批評も書くし、食の随筆も書く、小説も書いた人。


昭和52年に亡くなっているので、その存在を私も最近まで知らなかった。図書館でたまたま「友と書物と」という著書を読んで以来これまで、「東京の昔」、「甘酸っぱい話」、「酒肴酒」、「金沢」、「酒宴」を読んだ。


東京の昔   http://d.hatena.ne.jp/benton/20131014/p1
甘酸っぱい話 http://d.hatena.ne.jp/benton/20120205/p1
酒肴酒    http://d.hatena.ne.jp/benton/20070716/p1
金沢・酒宴  http://d.hatena.ne.jp/benton/20070624/p1


この本は吉田健一の最晩年に担当編集者だった長谷川郁夫がまとめた評伝。華麗な生い立ち、ケンブリッジ留学の様子。小林秀雄三島由紀夫らとの交遊など戦前から戦後の文壇の様子。明治から積み上げてきた良いものが昭和のはじめに花開いている姿、それが戦争で大きく変わってしまった、そしてその中で吉田健一が何を書いてきたかをたどることができて面白かった。


吉田健一は昭和35年から亡くなる前年の昭和51年まで毎年冬の時期に金沢を訪れている。昭和39年の行程がこの本に紹介されていた。宿はつば甚、大友楼やごりや、鶴来の和田屋など料亭を廻って、九谷の大皿で鯛や岩魚の骨酒を楽しむとともに、福光屋日栄などの酒蔵を訪問する豪華な旅行だ。毎回1週間から10日間も滞在していたらしい。


金沢の魅力については

金沢と言えば、その名所や名産が色々と頭に浮かんで、確かにあの二つの川で三つに分かれた静かな町はそういう名所や名産がなくても何度行っても飽きない(といふことも、行って見て始めて解ることである)」

と浅の川と犀川というふたつの川が流れる街の佇まいが好みだったようだ。

吉田健一

吉田健一