進化しすぎた脳

大脳生理学の最前線を、中高生に4回の講義でひととおり理解してもらおうという本。わかった気分になれます。
第1章、「人間は脳の力をつかいこなせていない」
 脳の構造や脳の働きについて、最先端の動物実験でどこまでわかっているかを示します。
第2章、「人間は脳の解釈から逃れられない」 
 心や意識が発生する仕組みについて考えます。その中で、我々の実感と異なり無意識にいかに支配されているかが
 明らかに なります。
第3章、「人間はあいまいな記憶しか持てない」
 神経細胞レベルで、ナトリウムイオンの波で脳が働く仕組みを説明してくれます。
第4章、「人間は進化のプロセスを進化させる」
 第3章をうけて、アルツハイマーの治療法への様々なアプローチの考え方を紹介します。

一番興味あるのは、意識についてです。「体を動かそうと意識する→意識の命令を受けて体が動く」の順序だと思っていましたが、脳の活動を調べると「無意識に体が動く→体を動かそうと意識した感覚が生じる」となったいるそうです。意識は、私が私であるという、ありありとした感覚=クオリアが生じた結果であり、脳の活動の副産物のようなものだといいます。では、何のために意識というクオリアがあるのか、魚やお猿には意識があるのか、とか考え出すと夜も眠れません。


とここまで書いたところで、前にこの本読んだことがあったような気がして、調べてみると、こんなのがありました。


進化しすぎた脳:http://d.hatena.ne.jp/benton/20090411/p3
しかも同じようなこと書いてます。私の脳は退化しているのか。


脳や視覚について、こんなのもあります。
脳は空より広いか:http://d.hatena.ne.jp/benton/20080810/p2
意識とは何か 私を生成する脳:http://d.hatena.ne.jp/benton/20080810/p3
アナログブレイン 脳は世界をどう表現するか?:http://d.hatena.ne.jp/benton/20071224/p1
見る 眼の誕生は私たちをどうかえたか:http://d.hatena.ne.jp/benton/20090220/p1
46年目の光:http://d.hatena.ne.jp/benton/20090915/p1

進化しすぎた脳  中高生と語る「大脳生理学」の最前線

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線