幸せの力
奥さんにも見捨てられて、ホームレスにまで落ちぶれた子連れの男が、証券会社で仕事を得るまでのお話。実話に基づく話で、彼はその後成功して大金持ちになったそうです。80年代のサンフランシスコが舞台になっているというのに惹かれて見てきました。チャイナタウンや、キャンドルスティックパーク、ゴールデンゲートブリッジを望む海岸なんかが登場してました。
アメリカは各部署のマネージャーが人を雇ったり、首にする権限をもっていて、上司に評価されないと、それなりの手順きを踏んですぐに首なので結構大変です。露骨なゴマすりも結構あります。それなりの手続きというのは、訴訟を起された時にも、首にしたのはその人に仕事の能力がないということを証明できるような記録を残すことです。最終的には、総務のマネージャーに呼び出されて、「明日から来なくていい、今日中に荷物まとめて出て行って下さい。」と言われます。私がいた会社では、木曜日の午後に通告されることが多かったので、木曜日に総務から呼び出しがあるとみんな結構恐れていました。
首になると家賃やローンも払えないし、医者にもかかれなくなるから、みんな必死です。訴訟は日常茶飯事。私の上司も訴えられていました。首にされた人が逆恨みして会社に銃を持って殴りこんでくる事件も新聞ではよく見ました。
各部署のマネージャーが権限をもっているということは、マネージャーに気に入ってさえもらえれば雇ってもらえるので、昔一緒の会社で働いていたとか、学生時代の同級生だとか、会社の枠を超えた人とのつながりで仕事を見つけることも多く、ひとつのセーフティネットになっているようです。一人マネージャーを雇うと、その下に芋づる式に同じ国の出身者が入ってくるというのはよくある話でした。
でも、仕事できないと、マネージャーごと首になるので、厳しいのは変わりませんが。
映画の中で、ウィルスミスが、ビルの屋上で子どもとバスケットをしなが言う台詞、「欲しいものがあるんなら、取りに行け。」が印象に残りました。