典座教訓 赴粥飯法

禅寺で僧侶たちの食事の準備を司る役職が典座です。その典座の心構えを説いたのが「典座教訓」です。典座の用意してくれた食事を頂く僧侶たちの心構えを説いたのが「赴粥飯法」です。


禅宗においては食と仏道とは一体であるとし、食事を非常に大事にします。食事を用意する時もいただく時も、修行と同じような気持ちで真心こめてやれといいます。

事を作し務めを作すの時節は、喜心・老心・大心を保持すべき者なり。

喜心とは、他人のために事をなすことを喜ぶ心。
老心とは、親の心。老婆が他人のために徹底して尽くすように、自らを顧みず、他人に奉仕する心。
大心とは、その心を大山のようにどっしりとさせ、大海のようにひろびろとさせて、一方に片寄ったり固執したりすることがない心。
この三つの心構えを忘れずに仕事に励みたいものです。

典座教訓・赴粥飯法 (講談社学術文庫)

典座教訓・赴粥飯法 (講談社学術文庫)