エネルギー問題

まず、石油、石炭、天然ガス原子力再生可能エネルギー、それぞれの現状と今後の見通しの解説があり、その後、地球温暖化問題について、文明史の中でので7回あったエネルギー革命について、戦後の日本のエネルギー政策、今後のあるべき姿についてと説明が続きます。後半は説明が重複して冗長になる部分もありますが、エネルギー、地球温暖化に関して網羅的に幅広くまとまっています。


エネルギーに関しては、多様化を図りベストミックスを探っていくべきだというのが著者の立場。二酸化炭素排出量削減のためには、石炭火力発電所天然ガス発電所に置き換えていくのが効果的だといいます。この辺は「エネルギー論争の盲点」の著者とほぼ同じ見解です。また、石油の時代は終わったといいます。但し、石油を掘りつくして供給できないからではなく、価格が高等し、しかも安定しないために、他のエネルギーに代替され需要が減少していくだろうとのことです。


東日本大震災前に出版されていることもあり、原子力に対しては楽観的です。技術的なブレークスルーによって、廃棄物の問題もクリアし、将来は核融合も可能になるだろう。安全性については特に言及はありません。


じっくりとエネルギー問題について考えてみるときの、とりあえずの取っ掛かりになる本です。

エネルギー問題!

エネルギー問題!