天然知能

人工知能とは、自分にとって役に立つのかどうか、自分の価値判断に基づいて知覚する知能。昆虫は農作物に害があるのか、ペットショップで高く売れるのかなど、自分との関係性で認識して判断する。利害関係のないものは知覚すらしない。著者は1人称的知性と言う。
 
自然知能とは、自然科学が分析するように世の中を認識する方法。世界というシステムを構成するパーツの一つとして事物を位置付ける。著者はこれを3人称的知性と言う。
 
天然知能とは、1人称的、3人称的に知覚しながらも、外部からやってくるものを受け入れて面白がる。「ようわからんけれど、何かあるんじゃないか。」と思いながら外部を受け入れる態度のこと。
 
天然知能だけが、新たなものを創造することができると言う。創造性は意識や意図で生まれるものでなく、外部から降りてくる。
 
國分功一郎さんの「中動態の世界」や、仏教の縁起とも関連させて語れそうな内容。
天然知能 (講談社選書メチエ)

天然知能 (講談社選書メチエ)

 

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