藤田一照さんの公開仏教講座
藤田一照さんのセミナーに参加してきた。藤田さんは曹洞宗の僧侶で、「現代坐禅講義」など禅に関する著書を出されている。
今回は永平寺で雲水さんを相手に二日間講義をした後、金沢に立ち寄られたそうだ。じっと座ってお話を聞くだけのセミナーではなく、ヨガのポーズや軽い体操、ダンスのようなことをしながら、坐るということを体験する講座だった。
いろいろやった中で、顎周りの筋肉をリラックスさせる方法がびっくりするくらい効いた。割り箸を口の中に突っ込んで、縦にして右の奥歯で軽く噛む。2〜3分間そのままでいる。左も同様にする。以上。やった直後も確かに上下の奥歯の間にスペースができて、顎周りがリラックスしたのを実感できたが、一晩寝て起きた時に、顎から首まわり、こめかみから頭頂部までの奥深くまで力が抜けたようで非常に心地よかった。普段、よほど奥歯をギリギリと噛みしめているんだろう。歯ぎしりや顔のリフトアップにも効果があるそうだ。
もう一つ、「如意棒ワーク」というのも面白かった。両端に直径3センチくらいの木の球がついた1メートルくらいの棒を使う。二人が向かい合って目をつむり、両端の木の球に手のひらを押し当てて棒を落とさないようにしながら、しゃがんだり、のびあがったり、回転したりと動き回る。相手の動きを手のひらに感じながら、自分も動く。人数を増やして10人くらいでもやる。どこまでが自分かとか、他者と自分の拘りみたいなものを実感できる。
仏教ではこの世は苦に満ちているという。その苦と闘うのでもなく、苦から逃げるのでもない。苦に触れ苦を感じて、苦と戯れるというのが釈尊の教え。坐るというのは、苦と闘うでもなく逃げるでもなく、ニュートラルな姿勢で苦(=世界)と向き合うこと。
本を読むのもいいけれど、著者から直接お話を聞いて体を動かしてみないとわからないことがある。
藤田一照 公式サイト | 藤田一照の公式Web。講演や葉山の茅山荘での坐禅会、現代坐禅講義やアップデートする仏教など著書の情報