空気感
仕事でいろんな会社を訪問するようになって10年。会社のことは、何はともあれ実際にその会社に行ってみないと本当のところはわからないと、最近つくづく思う。報告書を読んでも、決算書を見ても、新聞記事を見ても、ネットの評判を見ても、伝わってこないことがある。先日も不調が伝えられるとある企業を訪問してきたが、全然大丈夫、2、3年のうちに復活するだろうと思った。
社長さんに1時間みっちり話を聞く必要はない。敷地に入って駐車場の車を見る。玄関で守衛さんや受付の人に用件を告げて簡単に言葉を交わす。飾ってある絵や会社のスローガン、製品の展示などを眺める。打ち合わせ場所に案内される時に何人かの従業員と挨拶を交わす。廊下の掲示物や掃除の具合を見る。担当の方を15分くらい話をする。
それだけでも、その会社に勢いはあるか、従業員の士気は高いか、なんとなくわかる。ピリピリした雰囲気なのか、和気あいあいとした社風かわかる。ギリギリの判断をするときには、そんな感覚が役に立つ。「あの会社は今は財務状況は悪いけれど、従業員の士気は高いのでなんとかなるだろう。」逆に、「あの会社は業績はいいけれど従業員は疲れ果てて殺伐としているので気をつけたほうがいい。」とか。
大事なのは全体として伝わってくる場の空気感だ。それはどんなに言葉を尽くしても伝えきれないけれど、その場に行けばすぐわかるという類いのものだ。
意識する、しないに関わらず、その場に立って五感から得る情報と、他人が言葉で切り取った報告から得る情報とには、量に圧倒的な差があるのだろう。報告書には報告書の文脈に沿った情報しか書かれていないし、新聞記事には新聞記事にふさわしい情報しか掲載されない。だからこそ、文脈に沿って効率的な情報の受け渡しができるのだろうけれど、そこからはみ出してしまい汲み取れない情報も当然ある。
現場に行ってみないとわからないし、人には会ってみないとわからない。
東山散歩
この時期の金沢には珍しいポカポカ日和。息子は塾、娘は友達と遊びに行ったので、妻と二人で東山方面に散歩に出かけた。小橋から浅野川の左岸を主計町に向かう。主計町もお店が増えたなぁ、とか言いながら大橋を渡る。最近できた地ビールのお店で軽く飲んで行きますか、という事になり、オリーブの盛り合わせをつまみながらお店で醸造しているヴァイツェンと箕面ビールのスタウトを飲む。妻はオニオングラタンスープ。店舗と醸造所の間はガラスの扉1枚で隔てられているだけなので醸造所の作業の様子が見える。中の人が大きな軽量カップのようなもので泡立つ液体を汲み出して味見されていたので、羨ましそうな顔で見ていたらこちらに来て、作業の内容を説明してくれた。新しいレシピを試しているとのこと。醸造に使うホップを嗅がしてもらった。さわやかないい香り。
いい気持ちになったところで東山のメインストリートへ向かう。天野茶店で棒茶を100グラム購入。早朝の台所で鉄瓶でお湯を沸かしてお茶をいれるのが冬の間の楽しみ。メインの通りは沢山の観光客で向こう側が見通せないくらいの賑わい。中国語や英語も飛び交う。
宇多須神社の横の坂を登り宝泉寺に向かう。ここから東山、橋場町が見渡せる。
涅槃像も午後の日差しを浴びて気持ち良さげ。
宝泉寺から卯辰山を登り望湖台に行く。ここからは金沢の街が一望できる。遠くを走る新幹線や日本海も見える。見晴台でおしゃべりする人、体操する人など意外な賑わい。
再び東山に戻りエルパソで一服。私はチョコレートタルト、妻はエスカルゴという名のナッツのクリームとメレンゲのケーキでコーヒーを飲む。ここは、東山の入り組んだ迷宮の最深部にあるので、ここを目指して来る人しかたどり着けない場所。グランドゴルフ帰りの近所のお年寄りが集団でお茶しに来たり、小学生が小銭を握りしめてシュークリーム食べに来たりする。
沢山歩いたけれど沢山食べてしまった散歩でした。
この世界の片隅に
もう一週間前の話だけれど、富山に行って「この世界の片隅に」を見てきた。評判通りいい映画だった。
今まで戦争といえば、一億火の玉となって戦争に邁進していたか、ただただ悲惨な日々を我慢して過ごしていたかの、どちらかが強調されるばかりだったが、そこからすっぽり抜け落ちていた当時の普通の人の日常生活が、詳細にわたる時代考証の裏付けのもと描かれている。
今の私の生活とそんなに変わらない日常生活があった、今と地続きの普通の暮らしがあった。だけれども、戦争を止めることはできなかった。と思うと、戦争に向かってしまう時代の流れへの抗いようのなさが迫ってくる。
当時を生きたわけではないので、本当のところはよくわからないけれど、時代の気分がすくい上げられているように思う。母親にも見せて感想を聞いてみたいと思った。
ピュリナワン Dash Button
ガラクタ好きの血が騒ぎ、ボタンを押すだけで注文が完了するというアマゾンのダッシュボタンを買ってみた。
買える品物は、猫の餌ピュリナワン。ホームセンターまで車で買いに行くのが面倒で、しかもお店に行ってみたもののほしい商品が品切れだったりすることもあるので、ダッシュボタンにぴったり。ボタンは500円するけれど、その分は最初の注文金額から引かれるので実質無料。
ダッシュボタンが届き、説明書を見ながらiPadでアマゾンのアプリを立ち上げて、設定しようとするが、うまくいかない。パソコンからアマゾンのページを開いてもやり方がわからない。1時間くらい悪戦苦闘してから、もしやと思い妻のスマホを借りてやってみたら、あっさり出来た。スマホのアマゾンのアプリからでないと設定できないようだ。
早速ダッシュボタンを押してみようかと思ったが、あいにく買い置きの分がたくさん残っている。とりあえず、猫に使い方を教えてみました。
錆と人間 ビール缶から戦艦まで
自由の女神、飲料の缶、戦艦や戦闘機、橋、アラスカの原油パイプライン。これらは皆、技術の粋を集め莫大な費用をかけて錆から守られている。アメリカにおける錆による被害額は年間40兆円以上とも言われる。人間と錆との戦いやステンレス鋼の開発の歴史、さらに錆の美しさに魅せられた写真家など、錆にまつわるあらゆることが登場する。
例えば飲料の缶は、中に入れる飲み物の成分によって缶の肉厚が違うし缶の内側をコーティングするエポキシ樹脂の成分や厚みも変えてあるそうだ。新製品の場合、飲料を缶に入れて数ヶ月放置して耐久性を確認するらしい。ビールやオレンジジュースはアルミ缶に優しい飲み物で、ある種のエナジードリンクはものすごく腐食性が強いそうだ。
アラスカの原油パイプラインでは錆を探知するために、ピグと呼ばれるロボットを総延長1300キロのパイプラインの中、原油の流れに乗せて走らせる。パイプラインが腐食し原油が漏れると環境への影響や原油の輸送に滞ることによる経済的損失は計り知れないためパイプラインの管理責任者の責任は重大だ。ピグの現在地を追跡するために一ヶ月間アラスカの原野を走り回る。
トタンは鉄を亜鉛でメッキしたもの。表面に傷がつくと亜鉛が先に錆びることで鉄を腐食から守る。ブリキは鉄を錫でメッキしたもの。錫は鉄より錆びにくく鉄を錫で外気から密閉することで腐食を防ぐ。
と、いうような簡単な技術的なお話もあるが読み物として気軽に楽しめる本です。
宝泉寺からの眺め
この時期にしては珍しい晴天。明日、日曜日は雨との天気予報なので、朝ごはんを食べてから散歩がてらジョギングに出かけた。東山の茶屋街を抜けて浅野川沿いを上流に鈴見橋まで走って折り返す。常盤橋で浅野川の右岸に渡り、植木屋さんが公園の樹木に雪つりを施す横をすり抜け、常盤緑地へ続く坂を登る。傾斜が急なのでここからは歩く。芝生の広場を過ぎて更に登る。紅葉はもうほとんど散ってしまい冬の景色。卯辰山公園線に出て、そこから東山への下る道をたどる。この辺は赤い葉がところどころ残っていて、午前10時の柔らかな日差しが透過して鮮やかに輝いている。
「茶寮卯辰かなざわ」へ入る道路から子来町へ降りていく。途中に宝泉寺の案内板が目に止まる。この道は何度も通っているけれど、宝泉寺には一度も立ち寄ったことがなかったので立ち寄ってみる。お地蔵さんが並ぶ参道を50メートルほど行くと、眺望が開ける。遠くに金沢城と兼六園を望み、目の前に並木町のマンション群が立ち並ぶ。眼下に大橋から梅の橋、天神橋までの浅野川が流れる。その手前には、東山の町屋の黒い甍が広がる。テレビ番組で金沢を紹介するときにまず最初に登場するあの景色だ。しばらく景色に見とれるてから引き返す。参道にたくさんあるお地蔵さん一体ずつに小さな野花が手向けられている。
今日も観光客で賑わう東山の茶屋街を横目で見ながら帰宅。所要時間1時間。
懐かしい友達
アメリカのシリコンバレーと呼ばれるあたりに住んでいた頃の友達が我が家に遊びに来てくれた。同じアパートに住む日本人同士ということで仲良くしてもらっていたご夫婦だ。ろくすっぽ英語が喋れない我々夫婦をレストランに連れて行ってもらったり、サンクスギビングには七面鳥を焼いてご飯を食べたり、奥さん同士でコミュニティカレッジに通ったりと3年足らずだったけれど、楽しく過ごさせてもらった。
「いらっしゃい。お久しぶりです。」と言って玄関でお迎えして、顔を見た瞬間に一気にアメリカに住んでいた頃に戻ったように感じた。その間にお互い仕事も変わりいろいろあったけれど、そんなことはすっ飛ばして、その頃に戻ったような不思議な感じがした。
せっかく冬の金沢に来てもらったので、香箱蟹とズワイ蟹をたくさん用意した。鰤とイカのお刺身、おでんも食べてもらった。再来年はアメリカから帰ってきて20年になるので、今度はアメリカでreunionしようという話で盛り上がる。
二次会は金沢らしいところということで、主計町の日本酒バーにご案内する。久しぶりに普段身につけている鎧を脱ぎ捨ててリラックスできた。息子にもいつになくよくしゃべっていたと指摘されてしまった。
藤田一照さんの公開仏教講座
藤田一照さんのセミナーに参加してきた。藤田さんは曹洞宗の僧侶で、「現代坐禅講義」など禅に関する著書を出されている。
今回は永平寺で雲水さんを相手に二日間講義をした後、金沢に立ち寄られたそうだ。じっと座ってお話を聞くだけのセミナーではなく、ヨガのポーズや軽い体操、ダンスのようなことをしながら、坐るということを体験する講座だった。
いろいろやった中で、顎周りの筋肉をリラックスさせる方法がびっくりするくらい効いた。割り箸を口の中に突っ込んで、縦にして右の奥歯で軽く噛む。2〜3分間そのままでいる。左も同様にする。以上。やった直後も確かに上下の奥歯の間にスペースができて、顎周りがリラックスしたのを実感できたが、一晩寝て起きた時に、顎から首まわり、こめかみから頭頂部までの奥深くまで力が抜けたようで非常に心地よかった。普段、よほど奥歯をギリギリと噛みしめているんだろう。歯ぎしりや顔のリフトアップにも効果があるそうだ。
もう一つ、「如意棒ワーク」というのも面白かった。両端に直径3センチくらいの木の球がついた1メートルくらいの棒を使う。二人が向かい合って目をつむり、両端の木の球に手のひらを押し当てて棒を落とさないようにしながら、しゃがんだり、のびあがったり、回転したりと動き回る。相手の動きを手のひらに感じながら、自分も動く。人数を増やして10人くらいでもやる。どこまでが自分かとか、他者と自分の拘りみたいなものを実感できる。
仏教ではこの世は苦に満ちているという。その苦と闘うのでもなく、苦から逃げるのでもない。苦に触れ苦を感じて、苦と戯れるというのが釈尊の教え。坐るというのは、苦と闘うでもなく逃げるでもなく、ニュートラルな姿勢で苦(=世界)と向き合うこと。
本を読むのもいいけれど、著者から直接お話を聞いて体を動かしてみないとわからないことがある。
藤田一照 公式サイト | 藤田一照の公式Web。講演や葉山の茅山荘での坐禅会、現代坐禅講義やアップデートする仏教など著書の情報
一汁一菜でよいという提案
料理研究家としては随分思い切った提案。日常の食事は、いつもと同じものでいい。毎回何か真新しいものを作ろう、品数を増やそうと悩まなくていい。ご飯と、味噌汁と、漬物。これだけでいい。一汁一菜が和食の基本。もし余裕があればおかずを一品ってみようかくらいのつもりでちょうどいい。
ご飯の炊き方の説明があるくらいでレシピらしいものは一切なし。著者が普通に食べているご飯と味噌汁と漬物の実例写真があるだけ。ピーマン、炒めたキャベツとベーコン、ナスと落とし卵など、かなり自由。味噌の力に任せて冷蔵庫にあるものなんでも味噌汁にしてみればいい。唐揚げでもいい。びっくりするくらい美味しくなることもあれば、そんなにおいしくないこともあるだろう。それでもいい。それが日常の暮らし、「ケ」の食事だという。奇抜なものを一品増やすよりも、味噌汁を自分のため、家族のために毎日自分で丁寧に作ることが大事だと言う。
もちろん、ハレの日にはハレの日用の料理がある。ハレの日には鰹節と昆布で丁寧に出汁をとったお吸い物。何時間もかけて煮た黒豆。種類ごとに別々にたいて盛り合わせた煮物。ハレの日の料理は、特別な日に神様に捧げて、おさがりを神様と一緒に食べる料理だ。
毎日、おいしいもの食べたいと料理に頭を悩ましたり、もう一品作ろうと時間をかけるのがあたりまえと思ってきたけれど、普段通りの一汁一菜でいいと言われると、料理に対して身構える気持ちが楽になる。
普段はご飯と味噌汁と漬物だけでいい、それが和食だ。と言い切れる著者はなかなかすごい人だと思った。
ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ
著者の三枝匡が株式会社ミスミの社長として企業改革に取り組んだ実話を元にした、企業経営ドラマ。改革の過程で遭遇する数々の修羅場が生々しく描かれていて迫力あります。
新たな事業計画の立案、製品別損益を正確に把握するための原価計算制度の改革、一気呵成の国際展開、社内に生産機能を取り込むための企業買収とその後の生産工程の改革、受注の窓口となるコンタクトセンターの集約など、一歩間違えれば会社が傾きかねないリスキーな改革に同時並行で挑んでいく。
自分が過去にやらかした失敗を重ね合わせて身につまされたのは、「制約条件の解放」だ。挑戦的なプロジェクトをやっているとなかなか思うようには進まない。でもプロジェクトの期限は重要。そんな中でプロジェクトリーダーが無理やり期限に間に合わせようとして中途半端なことをやろうとすると、社長は毅然とダメ出しをしてやり直しを命ずる。同時にプロジェクトの期限を現実的なところに修正する。これが「制約条件の解放」だ。プロジェクトのリーダーは苦しくても自分から期限の延長は言い出しにくい。腹をくくって短期的な損失を覚悟でプロジェクトの延期を宣言する。社長にしかできない役割だと著者は言う。
もう一つ確かにそうだと思ったのは、とにかくTAT(turn around time)が大事ということ。顧客の発注、顧客からの問い合わせにいかに早くレスポンスするか。そのためにはバッジ処理ではなく、単品処理。多能工化がポイントと著者は言います。
自分の組織のミッションは何か、強みは何なのか。今何を問題だと考えるのか。それを克服するために何をしなければならないのか。基本に帰ってまずはそのあたりからきちんと考えないと始まらんなと思った。
チェスの話 ツヴァイク短篇選
ドイツの作家、ツヴァイクの短篇集。「目に見えないコレクション」、「書痴メンデル」、「不安」、「チェスの話」の4話。
「チェスの話」は、ニュヨークからアルゼンチンに向かう客船の中で、チェスの世界チャンピオンとある男がチェスをする話。その男はナチス支配下のオーストリアから脱出してアルゼンチンに向かう途上。ナチスに捕まっていた時には、ベッドと机と椅子と戸棚のほかは、本も紙もペンも何もない部屋に数ヶ月も監禁され、尋問の時以外は他人と会話することを一切禁じられたいた。何か読みたいと看守のコートのポケットから本を盗んだが、その内容はチェスの解説本。本に書いてあるチェスの打ち手を頭の中でシミュレーションするが、時間はたっぷりあるのであっという間に全部覚えてしまう。仕方なく、一人で攻守に分かれて対戦する。紙もペンもないので盤上の駒の動きは全て頭の中。そうやって他人と一度も対局することなくチェスを覚えた男と世界チャンピオンとの戦い・・・・・。
機械学習と自己対戦でチェスを覚えた人工知能と人間の対戦みたいだと思いました。
- 作者: S.ツヴァイク,池内紀[解説],辻,関楠生,内垣啓一,大久保和郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現代坐禅講義 只管打坐への道
坐禅の真似事を始めて1年。毎朝2、30分坐るようにしている。自分が実際に坐っている時に感じていることと照らし合わせると、この本に書いてあることが少しわかってくる。今回読むのは2回目。最初に読んだ時には頭で理解できても実感できなかった、坐骨の2点を接点にしてその上に背骨を立てる感覚や、鳩尾の開放してリラックスする感覚に近づけたような気がする。
左右のお尻にある坐骨の出っ張ったところで接地して接点を微妙に前後に調整することで骨盤の傾きを調整し、接点の上にスッと背骨が立ち上がるようにする。股関節や腰まわりの筋肉をリラックスさせて、骨格のバランスで坐るようにする。ゆっくりと微かに体を動かしながら、リラックスして座れるポイントを探る。
時々読み返して体の使い方を確認したくなる本です。
地方創生大全
役所の補助金を使って地域振興事業をやることのダメさ加減を徹底的に見せつけます。
まずは「ゆるキャラ」から。大のおとなが税金を使ってまでやる程のものか、ゆるキャラグランプリを取ったところで経済効果があるのか。と切り捨てます。実は大した成果をあげてなくても役所の成功事例に祭り上げられるからくりや、掛け声ほどに簡単ではない地域資源のブランド化、税金が使えるからと不相応に豪華な建物を建てて維持に苦労する道の駅。名ばかりコンサルに丸投げして作成する地方創生総合戦略の不毛さなどなど。
人口減少対策のために地方創生、地方創生と大騒ぎすることの一番の問題は、日本全体では今後、どんどん人口が減少していくことは確定した未来であるにも関わらず、個別の地方自治体が大都市圏など他の地域から移住などで人を呼び込んで人口増加を目指すなどとうつつを抜かしていることで、人口が減っていく中でもどうやって地域を維持していくかという本来やるべきことを真面目に考えていないこと。
みんな薄々感じていることをはっきりと示してくれる本です。