瀬戸酒店経由の黒百合

土曜日の午後、陽気につられて散歩に出かける。

 

武蔵ヶ辻、香林坊、片町と歩いて、犀川大橋を渡り蛤坂を登る。妙立寺の前を通って、六斗の広見から旧鶴来街道を歩く。途中で以前から気になっていた、瀬戸酒店さんに立ち寄る。何が気になったかというと店の入り口にある「樽生250円」の看板だ。お店に入り「樽生お願いします。」とご主人に話すと、慣れた手つきでプラスチックの透明なカップを取り出して、生ビールを注いでくれた。250円を支払い店先のベンチに座って飲む。1時間歩き続けた体に、よく冷えたビールがしみる。うまい。

 

3口ほどで飲み干して、泉中学校、小学校方面に向かう。157号を再び片町に引き返し、中央通りを歩いて元車、三社、金沢駅へと歩いた。

 

駅のお店も再開したというので様子を見に言った。お土産物屋さんは営業しているものの人はまばら、飲食も半分くらいのお店がまだ閉まっている。そんな中、おでんの「黒百合」がやっていたので様子をのぞいて見る。カウンターには、隣の席との間にプラスチックのパーテーションがおいてある。ブックスタンドとプラスチック板で作ったもので、お客さんの人数に合わせて移動できるようになっていた。私はひとりなので、両脇にパーテションがある中で、牛すじ煮込みで萬歳楽の穂の香を飲む。さすがにまだ観光客はおらず、地元の常連客ばかりでのんびりした雰囲気。北陸新幹線開業前の長閑な昼下がりに戻ったようだ。