55歳の誕生日

今日は誕生日。55歳になった。自分の父親の55歳の頃の姿を思い浮かべてみると、もう正真正銘のおじさんだったなと思う。自分を鏡でみてもあまり自覚できないが、傍からみればかなりくたびれた高齢の男性なんだろう。
 
体力はめっきり衰えた。一日仕事すると夕方にはヘトヘトに疲れる。家で晩ごはんを食べると眠けがおそってくる。9時には起きていられない。集中力も衰えた。難しい本がすっと頭に入ってこないので、何度も読み返す。何時間も続けて本を読めなくなった。1時間くらいがせいぜい。食欲も衰えた。金沢カレーの大盛りなんぞを、ランチに食べてしまうと午後は使いものにならない。カレー臭いゲップを繰り返す。血糖値急上昇で気絶しそうになる。
 
先週、会社の人事課から定年後のライフプランを考えるためのガイドブックをが送られてきた。読んでみておどろいた。「人生100年時代。元気に80歳まで働けるよう、今までのキャリアを振り返り、定年後のライフプランをたてましょう。」えっ、80歳まで働かなきゃいけないの。
 
それはともかくとして、退職後の20年、100歳まで生きると40年、何して暮らすんだろうと思う。半日働いて、半日好きなことするくらいが、心穏やかにすごすためにはちょうどいいバランスだと思っているんだが、そのくらいの仕事で暮らしていけるだろうか。貯金はどのくらいしておけばいいんだろうか。いろいろ心配になる。
 
その前に、実質定年までの残り5年をどうやってすごそうか。
 
今の世の中のどうしようもない状況をつくったのは、私たち世代の責任だと思う。失われた20年だか30年、上の世代に対抗することもなく、唯々諾々と従ってきたの私たちだ。しかし、今からなにかしようと思っても、既に実務は部下にまかせきりで、もはや、彼らがいなければ何もできない。そのくせ変に口をはさんで細かいところまで指図しないといられないのは見苦しい。だから、若い人たちに任せるようにしている。彼らが動きやすいように、サポートするのが一番役に立てると感じている。うちの職場なぞ、下手すると私よりも10歳も20歳も年上の方々が現役で意思決定を左右している。そのあたりの人たちに、NOを突きつける役割を果たすべきじゃないかと思っている。
 
誕生日の夜は、妻がケーキを作ってくれて、娘から夏用のサンダルをプレゼントにもらった。しみじみとうれしい、ありがたい。