酒を飲まない日々

4月4日に酒を飲まなくなって4ヶ月が過ぎた。それまでは、毎日何かしらの酒を飲んでいたが、今のところなんともない。酒を飲みたくてイライラするとか、ものすごい意志の力で飲酒を我慢しているわけでもない。特に飲みたいとも思わなくなった。テレビでビールのCMを見かけてもなんとも思わない。タレントさんがグラスからビールをごくごくと喉をならしながらのんで、「プッはぁ~、うまぁい。」などと大げさにやればやるほど、見ているこちらは。「シュワシュワして苦い飲み物に大企業が莫大な広告費をかけて、優秀な社員を総動員して売り込むんだ。」と冷めた目でみてしまう。
 
人間ドックを受診した8月2日に、こんな日くらい少し飲んでもいいかなと思い、500mlの缶ビールを飲んでみた。確かに喉がスッキリした美味しかったが、スッキリしたいなら炭酸水でもいいんじゃないかとも感じた。その後は飲んでいない。
 
今はもう慣れてしまって実感が薄れつつあるが、体調は良くなった。毎日飲んでいる時はわからなかったが、お酒は体に結構な負担をかけている。少しだけ飲んでも眠りが浅くなり、翌日は体がだるいのだ。
 
それに加えて、酒を飲まないと気分が安定する。酔っている時は気分が高揚して饒舌になり、上機嫌なのだが、翌朝はその反動で非常に落ち込む。体調自体が優れないこともあって、非常に気分が落ち込み、悲観的な気分で毎日職場に向かっていた。
 
自由に使える時間が長くなった。平日は、晩酌を始めると1時間以上食卓に座ってグダグダ過ごし、そのまま寝落ちしていたが、夕食を食べるだけなら30分以内に終わる。空いた時間は本を読める。朝の目覚めが爽やかなので、早起きして勉強でもしようかという気持ちになる。
 
酒を飲まなくなると体重が減るかと期待していたが、今のところ特に変化なし。理由はわかっている。毎日夕食技にお酒を飲まないのだからと言い訳して、甘いものを食べているからだ。アイスを食べることが多い。
 
去年くらいから、体が疲れやすいと感じていた。毎日が体がだるくて、蕁麻疹が頻繁にでるようになった。なんとかしなきゃと考え始めたのがお酒を飲まなくなったきっかけだ。年齢がすすむにつれて酒量が増えたり、休日に昼から飲み始めることが増えたりと、もしかしたら、アルコールに依存しているんじゃないかと薄々感じるようになったこともある。
 
そんなこともあって、実は去年「禁酒セラピー」という本を買って途中まで読んでいたのだ。これはアレン・カーという人の著書で、彼は別に「禁煙セラピー」という本も書いている。15年前にこの「禁煙セラピー」を読んで、私はタバコを吸わない人になったので、今回も「禁酒セラピー」を買ったのだ。
 
「禁煙セラピー」も「禁酒セラピー」も手法は同じで、酒で人とコミュニケーションが円滑になるとか、気分が良くなるとか、飲酒のメリットとされているものを、「そんなことないよ。それは酒なしでも実現できるよ。それは勘違いだよ、本当は体を蝕んでいるんだよ。」とひとつづつ潰していく。返す刀で、アルコール依存の恐ろしさを説明する。
 
新書一冊を使って繰り返しそんなことが書いてあるだけなのだが、私には合うのか、タバコもお酒も特につらい思いをすることなくやめた。
 
お酒に関してはコロナで飲み会に誘われる機会が全くなくなったことも幸いしているので、今後どうなるかわからないが、今の所は憑き物が落ちたようにお酒に興味がなくなってしまった。これまでであれば生きる喜びの半分を失ったような気がしたはずなのだが、そうでもない。明らかに体調がいいのでこのまましばらく続けようと思っている。