カレル・チャペックの日曜日
チェコの国民的な作家さんです。「ロボット」という言葉は彼が考えたそうです。お気楽に読める随筆集ですが、ところどころ歯ごたえがあります。
『「しかし人間」について』がお気に入りです。
「しかし人間」というのは、自分の出会ったすべての人にたいしてなんらかの「しかし」、つまり自分専用のなんらかの留保条件をもっている奇妙な人種です。彼らの言いぐさは、「そうだ、そうだ」でも「ちがう、ちがう」でもなく、「そうだ、しかし」または、「ちがう、しかし」なのです。
もし彼らに2×2は4だとでも言ってごらんなさい。彼らは「そうさ、しかし3×2は6だぜ、君」と即座に、しかもある種の優越感をもってやり返してくるでしょう。
文法的に見てもわかるとおり、「しかし」は反意接続詞です。でも、「しかし人間は」何も反証しないし否定もしません。ただ、抵抗を示すだけ。あらゆるものにたいして何らかの異論を差しはさむだけです。だから、彼らには説得的なエネルギーが欠けており、本質的にいい話し手とはいえません。
「しかし人間」の利点
- 知的優越感をもって隣人の行為や認識を訂正し、「適切な枠のなかにはめ込む」。
- 好ましい状況を作ることはできないくせに、ただ自分の立場を取ることにだけは熱中する。そして、自分だけは別だという立場を明確にして、なんとなく自分の「自我」を主張する。
- 最後には、このようにして他の人びとを効果的にしらけさせることで、大きな満足感を得る。
おるおるこんな人。自分もそうかもしれん。
「しかし」や「〜だが」のような反意の接続詞を、反意でもないのに文章で多用する傾向は自分もあります。その裏には、自分だけは特別だと主張したい気持ちがるんでしょうね。
- 作者: カレルチャペック,Karel Capek,田才益夫
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チャペックといえば、こちらのコーヒー大好きです。お店で一粒ずつ豆を選別されてます。
自家焙煎 珈琲屋チャペック;http://homepage2.nifty.com/capek/index.html