宇宙を織りなすもの 上
「エレガントな宇宙」のブライアン・グリーンが空間と時間の成り立ちを描き出します。空間について、相対性理論と量子力学の成果をあてはめて、素人にもわかりやすく説明するのは、「エレガントな宇宙」と重なる部分があります。時間の流れについての考察の過程は、日常の時間感覚を揺さぶられる興奮を覚えました。
古典力学であれ相対性理論であれ、物理学上は、未来、過去を区別する符号はつかない、未来へも過去へも進みうるにもかかわらず、過去から未来へ一方向にしか流れていかないように感じるのはなぜか?そもそも、時間が流れていく、現在だけが実在していて、過去はもう存在しない、未来はまだない。という感覚は物理学上は正しいのか?
切る前の一塊の食パンを持ち出して、スライスした断面が空間、スライス面の重なりを時間の流れに例えて説明していくます。食パンの塊=時空は実在する。つまり、過去も未来もいまここに、実在しているそうです。
時間の流れを説明するくだりで、グラスのなかの解けかけの氷の例がでてきます。解けかけの氷は30分前にはどんな状態だったか?しっかりした氷だったのか、それとも、水だったのか。エントロピーの法則を根拠とするだけでは、水だった確率が圧倒的に高いそうです。そんなアホな。しっかりした氷だったというためにはどうすればいいの?
エントロピーの考え方と、宇宙の起源が非常に整然とした、対称性の高い状態だったという前提が必要となるそうです。
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