みずうみ

19世紀のドイツ人の作家シュトルムの恋愛小説です。主人公ラインハルトが思いを寄せる幼馴染のエリーザベト。ラインハルトが大学生活をおくるため故郷を後にし、お互い離れ離れになったけれど、帰省したときには再開して思いを確認する。しかし、ラインハルトが卒業する直前に、エリーザベトがこれも幼馴染のエーリヒと結婚したことを伝える手紙が届く。場面は突然、それから数年が経過しエーリヒがラインハルトを自分の家に招待する場面に。そこでラインハルトとエリーザベトが再会して・・・・・。


いや、何かどろどろとした事件が起こるわけでもなく最後まで淡々としたお話です。思い出の風景がポッ、ポッと順番に浮かんでは消えていくような、淡々とした調子で、一度読んだだけではあまりにも淡々として何にも残らないのですが、何度も読んでいると、淡々としたシーンがいろんなことを象徴していように思えてきます。


戦前の旧制高校の学生たちに人気のあった小説だそうです。思えば、恋愛小説を読んだのは、中学生のときの「野菊の墓」以来です。

みずうみ 他四篇 (岩波文庫)

みずうみ 他四篇 (岩波文庫)