2016-01-01から1年間の記事一覧

サマルカンドへ ロング・マルシュ 長く歩く2

60歳を過ぎてから歩くことに魅了されたフランス人の元新聞記者が、トルコのイスタンブールから中国の西安までの12,000㎞1を4年間かけて徒歩で旅行する。その2年目の旅。トルコとイランの国境からイラン、トルクメニスタンを通ってウズベキスタンのサ…

失われてゆく、我々の内なる細菌

著者はまず、人間は自分の体の表面や消化管の内部などに100兆個もの細菌を保持していることを示す。ちなみに人間自身を構成する細胞の数はたったの30兆個だ。体内の全ての細菌の重さを合計すると数キログラムにもなるそうだ。それら細菌は数百万年をかけて人…

昨日の世界(1)

シュテファン・ツヴァイクは、1881年にオーストリアに生まれたユダヤ系の作家。詩や戯曲、伝記などの作品を残しているが、1941年に亡命先のブラジルで自殺している。この本は自殺の直前に書かれており、ツヴァイクは19世紀までのヨーロッパ文明を懐かしみ、…

エカチェリーナ大帝(上)(下)ある女の肖像

エカチェリーナ2世はロシアの女帝で、在位期間は1762年から1796年。北ドイツの諸侯の娘であったが、ロシアの王室に嫁いで皇位を継承する。在位中には、黒海艦隊を設立し、トルコとの戦争に勝利。ウクライナやクリミア半島を併合する。また、プロイセン、オ…

脳外科医マーシュの告白

仕事の中で、いろいろな心配事はあるけれどとにかくやるしかないという時、「まあ、誰かが死ぬわけでもないし、思い切ってやろうや。」と半分冗談で言うことがある。しかし、脳外科医の仕事は、ちょっとしたミスで患者が死ぬ、もしくは重大な後遺症を及ぼす…

香華園

能登島でのシーカヤックスクールの後、お昼ご飯は七尾市内の中華料理店「香華園 川原町店」に行った。地元の人にしみじみとしていいと教えてもらったお店だ。かなり寂しい商店街の奥の方まで歩いてようやく発見。入口が少し奥まったところにあって営業してる…

野生の知能 裸の脳から、身体・環境とのつながりへ

コオロギの雌は、雄の声を聞き分け好みの声で鳴くパートナーを求めて動き回る。 ケアシハエトリグモは、他のクモの巣に取り付き、自分の存在を気づかれないように獲物が巣にかかったと思わせる振動を送りながら、家主のクモに忍び寄る。それま一直線に近くの…

能登島のシーカヤック

高校3年生の息子が受験勉強に疲れたのか、藪から棒に「シーカヤックやってみたい。」とつぶやいたので、1日くらい息抜きに出かけてもいいやろということで、「カヌーあいらんど」の初心者シーカヤックスクールに参加してきた。 カヌーあいらんど TOP 朝9時…

心臓の科学史 古代の「発見」から現代の最新医療まで

心臓の病気とその治療法に関するあらゆることについての本です。心臓カテーテル法、冠動脈造影法、人工心肺、ペースメーカー、心臓移植、人工心臓、バイパス手術、アンギオプラスティー、ステント留置術、スタチンの開発などなど。 初めて心臓の外科手術が行…

土用の丑、墓そうじ

金曜の夕方、土用の丑の日のうなぎを届けに、実家の母のところへ行きそのまま一緒に晩御飯を食べる。今はお商売をやめてしまった魚屋さんが土用の丑のうなぎだけは注文をとって焼いてくれるという特別なうなぎだ。身が厚くてふんわりと柔らかく、クセもない…

ロング・マルシュ 長く歩く アナトリア横断

60歳で退職した新聞記者がトルコのイスタンブールから中国の西安までシルクロードを4年がかりで歩いて旅する。この本はその中のトルコ国内編。イスタンブールからイランとの国境近く、アララト山の麓の町ドウバヤズトまでを歩いた記録です。 著者が年齢を…

ベランダでバーベキュー

妻が羊を食べたいと言うので朝一番でコストコへ行きラムチョップと豚スペアリブを買う。ついでにサザエも。ラムチョップは塩胡椒してオリーブオイルとピノノワールとローズマリーでマリネする。スペアリブは15分ゆでてから、タマネギ、ニンニクをすりおろし…

阿含経典1

阿含経典は、原始仏典の中の相応部経典の中国語訳。釈迦が弟子たちに直接話した言葉をもっともよく伝えていると言われている。相応部経典とは、縁起、因縁などのテーマに関連した説教をまとめて編集した経典です。 1巻では、仏教における存在の法則である「…

エバンス

息子は塾、娘は部活で1日家にいないので、今日は妻と二人で久しぶりに外でお昼を食べることにした。 落ち着いてゆっくり食事できそうで、それほど堅苦しくもなさそうなので、尾張町にあるイタリア料理のエバンスに行ってきた。香林坊へ歩いて行く時にお店の…

あるミニマリストの物語ー僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで

妻も子供もいる身で、家中のものをじゃんじゃん捨ててしまう訳にもいかないのですが、近頃、余分なものはできるだけ持たないようにしたいと感じています。 ものが増えると、置いておく場所や、それを維持するお金、手間が必要となり面倒です。特に以前はあれ…

私は魔境に生きたー終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年

太平洋戦争中、東部ニューギニアでの戦闘で山奥に取り残された著者が、その後10年間にわたり仲間と山中で生活した記録。 戦闘に敗れて、山奥を彷徨する兵士たちが飢えやマラリアでバタバタと倒れていくところは悲惨としか言いようがない。行軍の経路に脱落…

「食の職」新宿ベルク

JR新宿駅の東口のすぐ近くにある、ベルクというお店の副店長さんが、お店について語った本。15坪の小さいお店だけれど、本格的なコーヒーやパンを安く提供しているらしい。ビールも飲めるそうだ。 この本は、ベルクと取引しているコーヒー屋さん、パン屋さ…

沖縄決戦 高級参謀の手記

沖縄戦の作戦を立案し、軍司令部の中で唯一の生き残りとなった高級参謀の八原博道の手記。 昭和19年3月に南西諸島の防衛を任務とする第32軍が設立され、八原は参謀に任命される。八原は、島内各所に地下陣地を構築して、アメリカの艦砲射撃を耐え、アメリカ…

病の皇帝「がん」に挑む 人類4000年の苦闘

上巻にあるインタビューで、医師でもある著者は、がんの患者さんに向けて、がんというのはどんな病気かを詳しくに説明して、ありのままを知ってもらうためにこの本を書いたと答えている。 腫瘍を取り除く外科手術、がん細胞だけを殺す薬を探し求める化学療法…

DMM.com 亀山敬司会長の講演会

非常に興味があったので、3,000円のチケット買って聴いてきた。 マスコミ等で一切顔を晒していないので、どんな人か一度見たかった。 私と同じ加賀市出身で、実家の近くにDMMの巨大な物流基地があったり、亀山さんが経営しているレンタルビデオ店に昔はよく…

野崎洋光が考える美味しい法則

野崎さんは、料理屋には料理屋のやり方があるし、家庭には家庭の料理がある。家庭が料理屋の料理を真似するのはおかしいときっぱり言ってくれます。 例えば、青菜のおひたし。料理屋はたくさんの料理を一度に出さなければならないので、味を一定にするために…

Who Get's What

お金では解決しづらい問題、お金を絡めると嫌悪感を感じる人が出てくる取引がある。例えば、ドナーの腎臓を移植を待つ人にどうやって配分するか、子供たちがどの公立中学に通学すべきか、研修医をどの病院に割り当てるべきか。 そもそも、腎臓の売買は強い嫌…

ヨーロッパ退屈日記

最初に出版されたポケット文春版のあとがきの日付が1965年3月1日となっている。 驚いた。私の両親が結婚して、お金がないので新婚旅行に出かけるか家に風呂をつけるか悩んでいた頃に、伊丹十三は、ジャギュア(ジャガーじゃなくてこう書かないといけないそう…

美味しい本屋さん OH LIFE

武蔵ヶ辻の「かなざわはこまち」の裏、三角形の小さな公園の横にあります。食べ物にまつわる本が並べてあって、それを読みながらお茶できます。 パンはお店で焼いていて、スープも美味しいです。スープは「甘エビのビスク」、「きのこのポタージュ」、「ブラ…

眼の哲学 利休伝ノート

青山二郎は1901年生まれ、1979年に77歳で亡くなっている。装幀家であり陶器の鑑賞家。1930年(昭和5年)頃に、小林秀雄や中原中也、河上徹太郎、大岡昇平らと親交を深め、交流し、飲み歩き、彼を中心とした文学仲間を称して「青山学院」と呼ばれたそうだ。…

パブリック

インターネットが普及しはじめて約20年、未だに我々はネットの価値を最大限に利用できていない。グーテンベルグの活版印刷が発明された時には、50年以上経過してから新しい出版の仕組みが動き始めたという。 ネットの価値を最大化するためには、情報を公開し…

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

サイロは穀物や飼料を保管する塔のような形をした倉庫のこと。腐食を防ぐため機密性に優れているが、ここから組織間の風通しが悪くなることの喩えとして使われる。日本語で言えば、蛸壺とか縦割り組織とかいうのだろう。 サイロに囚われた失敗例として挙げら…

ザ・グレート・ゲーム

「歴史が後ずさりするとき」の中で、ウンベルト・エーコが、ソ連崩壊によって東欧から中央アジアの範囲では最近の地図は全く役に立たなくなった。国の有り様が100年前に逆戻りしてしまったと言ってるところでこの本に触れていた。 時は19世紀、なんとか領土…

パウドリーノ

ウンベルト・エーコのヨーロッパの中世を舞台にした小説。1150年から1200年頃の神聖ローマ皇帝、フリードリッヒ・バルバロッサのイタリア遠征、第4回十字軍によるコンスタンティノープルの略奪あたりを扱っている。 イタリア北部のアレッサンドリアで生まれ…

ラフティング

5月5日に黒部川のラフティングツアーに参加してきた。去年の夏に同じツアに参加した時に、ゴールデンウィークは雪解け水で川の水量が豊富なので長い距離を漕げるし迫力もあって面白いとスタッフの方から聞いていたからだ。 朝9時に集合場所に着いてみると…