2016-01-01から1年間の記事一覧

歴史が後ずさりするとき 熱い戦争とメディア

イタリア人の記号論の学者にして小説家でもあるウンベルト・エーコ。小説では「薔薇の名前」が有名。 この本は、2000年から2005年に書かれた評論やエッセイです。9.11のテロ、アメリカのアフガニスタンやイラクへの侵攻について何度も書いています。その中で…

なかなか言えないこと。

7年前に父が亡くなってから母は一人暮らししている。実家は大きな家なので草むしりや季節の模様替えなどで何かと手間がかかるので、月に一度くらいは用事を手伝いに実家へ行く。そのついでに一緒にご飯を食べながら母のよもやま話を聞いてくる。一人暮らし暮…

女盗賊 プーラン

30年くらい前のインドのお話。実在の盗賊の首領 デヴィ プーラン本人から自身の壮絶な生い立ちを聞き取りしてまとめた本。 プーランは読み書きができない。彼女は、マッラという漁民が所属する身分の低いカーストの貧しい家に生まれる。父親は親戚に土地を騙…

金沢おでん 勝一

金沢駅の西口、時計駐車場の近くにできたお店。仕事帰りにサクッと飲むのにちょうどいいかと思い行ってみた。ご主人は2年前に片町のお店を閉めて、引退するつもりだったそうですが家にいても暇を持て余すばかりということで新しいお店を始めたとのこと。L字…

古墳

歴史博物館に行って春の特別展「加賀、能登 王墓の世界」を見て来た。埴輪や銅鏡など石川県内の古墳からの出土品の展示だ。入口の最初の説明で県内に古墳が3,100基もあると知ってその数の多さに驚いた。七尾、中能登と南加賀地域に集中している。出土品が立…

コーカサスの金色の雲

1944年、ナチスドイツを撃退した直後のソビエト。モスクワの少年院で暮らしていた孤児のクジミン兄弟は、コーカサス地方へ送られる。コーカサスはカスピ海と黒海に挟まれた豊かな土地。そこに行けばたっぷり食べられるという募集の文句に引き寄せられたのだ…

今夜もひとり居酒屋

これもインフル蟄居中にKindleで購入。居酒屋のガイド本ではない。著者が考える「いい居酒屋」についての考察です。店内の掲示メニューは黒板か張り紙か、木の札かで店の雰囲気がどう違うのか。お通しやのれんについて、立地場所の考察など、いちいち細かい…

打ちのめされるようなすごい本

インフルエンザで蟄居している間、Kindleで興味に任せて購入。 米原さんはロシア語通訳の第一人者であり、エッセイや小説を書けば無茶苦茶面白い。「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」や「旅行者の朝食」は良かった。10年前にガンで亡くなられた時は結構ショ…

つぎはぎ仏教入門

学生の頃に好きでよく読んでいた呉智英さんの仏教入門。「はじめに」で次のような問いが投げかけられる。 ところで、仏教のそもそもの宗祖は釈迦である。釈迦はその弟子や信徒たちと、どんな仏像を拝み、その前でどんなお経を唱えていたのだろうか。 釈迦の…

「人口減少経済」の新しい公式 「縮む世界」の発想とシステム

地方創生とかいって地方への移住者を少しばかり増やしたところで、あまり解決にならないような気がしたので、人口減少が経済に与えるインパクトを確認してみたくなって読んだ。2004年に出版された本なのでデータは少し古いのだが、現実と比較しながら読んで…

インフルエンザ

土曜日から何となく身体の調子が悪いと思いながら過ごしてきた。月曜日になってもスッキリしないので、もしかしたらと思い病院で検査したらインフルエンザだった。あまり高熱にならないタイプのインフルだそうだ。症状は軽くても、出勤してはいけないので、…

能楽への招待

タイトルの通り能の歴史や能面の解説、演目について一通りの解説もありますが、多分著者が言いたかったのは、ゆっくりとした能楽の動きの裏に研ぎすまされた内面の充実があるということ。そのことを示すために中国の武術家の言葉を引き合いに出します。 不動…

現代坐禅講義

道元の只管打坐とはどんなものなのか。その考え方と具体的な実践方法を丁寧に説明した本です。 坐禅するとは、居眠りせぬよう、考えごとにならぬように、そして生き生きと覚めて骨組みと筋肉で正しい坐相をねらい、その姿勢に全てをまかせきってゆくことであ…

みそ汁を丁寧に作ってみる

日曜日は、娘が自分の部屋の整理に取りかかり机やベッドの配置まで変え始めたので妻が手伝っても1日仕事になってしまった。夕方になってもまだ片付いていない。晩ご飯は私が作ることにした。 冷蔵庫の中のアボガドとキャベツを使って、回鍋肉、アボカドと蛸…

春 その2

日曜日の朝、いつも休日は遅くまで寝ている妻が珍しく6時に起き出して着替えをはじめた。桜の見物がてら散歩に行こうと言う。 私も顔を洗って着替えを済ませ、6時40分頃家を出る。お日様も顔を出し青空がひろがる。コートなしでも気持ちいい天気だ。小橋…

春 その1

仕事帰りに職場の同僚と反省会と称して寺町にある中華料理屋さんで晩ご飯を食べる。店を出て、一人分かれてぶらぶら歩く。咲き始めた桜を眺めながらW坂を下り犀川の河川敷に出る。めっきり暖かくなった春の夜風が心地いい。この春のひと時を迎えるために、じ…

人事異動

年度末の人事異動が発表になる。異動が決まり次の職場への期待から晴れやかな表情の人も入れば、経験のない分野への異動で心配そうな人もいる。私は今の今の職場での居残ることになった。 同じ職場で長期間働くのは、仕事に慣れてある意味楽だし、仕事を深く…

コザック ハジ・ムラート

カフカース(コーカサス)地方での、ロシア人とコザックやチェチェンの人々とのかかわりを舞台にしたトルストイの小説です。1850年頃にトルストイが軍隊で勤務しカフカースに派遣されていたことがもとになっています。カフカース地方は黒海とカスピ海に…

暗闇風呂

家族で晩ご飯を食べていると、高校生の息子が薮から棒に「真っ暗にして風呂に入ると気持ちいいよ。」と教えてくれたので、なんだかよくわからないけれど試してみた。 脱衣場と風呂場の電気を全部消して、真っ暗闇の中湯船につかる。目を閉じても、明けても真…

ホームステイ

2月20日から21日にかけて我が家で中国人の女子中学生の2人をホームステイで受け入れた。金沢市の姉妹都市である蘇州市から来た中学生だ。5日間の金沢訪問日程の中にホームステイが組み込まれているのだ。 妻が知り合いからホームステイの話を聞いてきて、…

いなさ

別院通り商店街にある「いなさ」という酒場に行ってきた。ご主人が一人で切り盛りしているカウンター5席と4人掛けのテーブルひとつの小さなお店だ。仕事帰りの夕方6時過ぎに入ると他にお客はいない。ビールはヱビスの黒と琥珀のどちらかが日によって提供…

パンチェッタ

コストコで2Kgの豚バラ肉の塊を買ってきたので、半分はそのまま料理に使い、残りをパンチェッタにしてみた。 作り方は、肉500グラムに大さじ1の塩をすり込んでキッチンペーパーで包んで一晩冷蔵庫で寝かす。翌日染み出た水分をよく拭いてから、肉をロー…

白山奥山人の民俗誌

石川県白山市の旧白峰村で、「出作り」とよばれる生活を行っていた人たち(=奥山人)の、江戸時代から昭和40年代までの生業や習俗を網羅的にまとめた本です。 出作りというのは、白峰村の本村から離れた山林の奥地、高地で住居を構えて焼き畑による稗や粟…

ティファールスチームアイロン「アルティメットスチームパワー」

去年の10月に、そのつもりはなかったのだけど形状記憶じゃない綿のワイシャツを買ってしまってから毎週末アイロン掛けをしている。アイロン掛けは面倒かと思っていたが、やりはじめたらはまった。真っ白いシャツがぱりっと仕上がる達成感に取り付かれ、土…

バターチキンカレー

先週コストコで買ってきた大量のカレー粉を少しでも使おうと、チキンカレーを作った。ネットで様々なバターチキンカレーのレシピを見ると、鶏もも肉、トマト缶、ヨーグルト、玉ねぎ、カレー粉、すりおろし生姜、すりおろしニンニク、バターがどれにも共通す…

かんぴょうのわさびあえ

節分の恵方巻きを妻が作ってくれた。 分量を間違えたのか甘く煮たかんぴょうが沢山あまっていたので、「かんぴょうのわさび和え」を作ってみた。数年前、穴水のお寿司屋さんで酒のつまみに出してもらった料理の再現だ。 太巻き用に甘く煮たかんぴょうを3セン…

とり白菜

「さぶろべい」の名物、とり白菜を食べたくなって家で再現してみた。料理自体は、すき焼き用の鉄鍋に鶏肉と山盛りの白菜を入れて炒めながら食べるだけ。肝はタレだ。ちょっと甘めの醤油ベースのたれは、昆布だしに砂糖とみりんと酒をいれて火を入れてみた。…

コストコ

夕方から妻とふたりでコストコへ買い出しに行った。食料品も日用品も売り出す商品の量が普通のスーパーに比べると桁違いに多いので、単価に換算し、大量の商品を保管するスペースがあるがどうか、食料品は賞味期限内に食べきれるかどうかも考え合わせながら…

iPS細胞はいつ患者に届くのか 再生医療のフロンティア

再生医療の現在の状況を知るには手頃でわかりやすい本です。再生医療というと心臓などの臓器をiPS細胞などから丸ごと作って移植するのかと思っていましたが、例えば神経細胞に分化するように操作した幹細胞を血液中に注射することで、幹細胞が脳梗塞で死んだ…

原始仏典第五巻 中部経典Ⅱ

これまでにも何度も登場し、五巻にも出てくる原始仏典の二つの考え方を紹介します。 「無記」 世界は時間的に有限か無限か。世界は空間的に有限か無限か。生命と身体は同一か別か。如来は死後存在するか否か。これらについての見解を求められるとブッダはわ…