早退して散髪へ

息子がインフルエンザとともに帰省して、次の日には妻も発熱して寝込んでしまうという、ドタバタの正月休みだったので、年末に散髪に行きそびれた。襟足が伸びて耳にかかるようになり、最近とみに毛量が少なくなっているからなのか、中途半端に伸びた髪がまだらに見えてみすぼらしい。煩わしさに我慢できなくなって2時間早退して散髪してきた。

 

平日なので空いているかと思いきや、15分後に予約のお客さんが来るという。1時間待ちかなと思っていたら、お客さんが来る前にチャチャッとやってくれるという。お言葉に甘えて、鏡の前に座る。もう15年通っている床屋さんなので、いつもの通りで、とお願いする。バリカンで後ろと側面を刈り上げ、頭頂部を挟みで刈り込んで鋤いてもらう。ほぼ丸刈りに近い。息子のことや正月休みのことなどをボソボソと話しながら刈ってもらう。その中で、例年だと年末の30日、31日はものすごく忙しいのだけど、今年はどういうわけか暇だったそうだ。その代わりに年が明けて1月5日、6日が忙しかったらしい。床屋のご主人が言うには、正月を髪を切って心新たに迎える習慣がなくなったのかもしれない。確かに正月を特別な気持ちで迎えようという雰囲気は、年々薄まっている。うちも年末の大掃除は年々簡素化して、今年は台所の換気扇とレンジ周りを少しやっただけで、窓拭きもしなかった。年賀状は親戚向けに10枚くらい書くだけ。今年はテレビCMでも正月向けの特別なものが少なかったような気がする。子供の頃は正月だから新しい下着で迎えなければと、母親に無理やり新しいパンツをはかされたことを思い出す。

 

大掃除だ年賀状だ、おせち料理の準備だと、年末を無理してあたふた過ごして疲れ果てる必要もないと思う気持ちが一方ではあるが、正月が年に何回かの長期休暇のうちの一つになってしまうのもさみしい。

 

髪を切り終わり、奥さんにシャンプーをしてもらう。椅子を後ろに倒して洗ってもらう。他人の手で、入念に洗ってらうのは気持ちがいい。洗髪後の頭皮マッサージがいつもより入念なのは、髪が薄くなっているからなのかと、いらん心配をする。

 

次に髭そり。私にとって髭剃りは床屋での最大の楽しみ。髭一本も残すまじ、という気合いで皮膚を右に引っ張り、左に引っ張りしながら丁寧に剃ってもらえるのが嬉しい。絶対に自分ではできない。

 

1月から髭剃りが100円値上がりしたとのことで、お会計は4,320円。安くはないので、ちょっといいバリカン買って自分で刈ろうかと、年に1回くらい考えるのだが、髭剃りの心地よさに惹かれて、月に1回、いや3週に1回のペースで通っている。