鳴和の滝

コロナウイルスが騒動になって以来、ランニングは控えている。人とすれ違うときに、走りながらウイルスを撒き散らしているような気分になるからだ。ただ、体は動かしたいので、休みの日は1時間は歩くようにしている。今日は東山から鳴和にかけて歩いた。

 

まずは、小橋から東茶屋街へ歩く。散歩している人が多い。向こうから歩いてくる男女の二人連れの男性がこちらをじっと見ている。私がマスクをつけ忘れたから睨まれているのかと思っていたら、マスクを外して挨拶をされた。仕事でお世話になっている社長さんだった。曖昧にこんにちはと挨拶する。にこやかに5分くらい世間話でもすればいいものを、慌ててどうもどうもと頭を下げながらすれ違う。知り合いとの突然の邂逅というのは、何を話せばいいのか咄嗟に思いつかないので、何がない会話を交わす難易度が高い。

 

観音町を通り抜けて、宇多須神社前から東山2丁目へ歩く。ここは洋菓子のエルパソがある通り。 

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高台にある蓮生寺から街を望む。卯辰山の裾野に広がる東山2丁目から山の上にかけては、急斜面にお寺や民家が密集し、その間に車が入れない細い路地が張り巡らされている。

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車の通りも少なく高低差があり景色の変化に富んでいるので、散歩すると楽しい場所。ここは、とあるお寺の山門。

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長屋。左側の2軒は窓枠が木製。きれいに住まわれている。

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山の上の路地裏。トタンの錆び具合が素敵。

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山の上の交差点近くから旧北国街道を歩いていると、「石川縣十名所義經旧蹟鳴和瀧」石碑を発見。義経ゆかりの滝、しかも石川県の名所ベスト10にも入っている有名な滝なら一度見ておかないと、と脇道にそれて滝を目指す。山に向かってダラダラと坂道を登こと5分くらい。神社の脇に鳴和滝を説明する石碑があった。

 

義経、弁慶の一行が安宅の関を通ったあと、もうここまでくれば大丈夫だろうと休憩、酒宴をした場所らしい。歌舞伎の勧進帳では、弁慶が「これなる山水の、落ちて巌に響くこそ、鳴るは瀧の水。」と詠む。鳴和という地名の由来ともなった滝があることすら知らなかった。滝自体は往時の面影はなく、細い樋からチョロチョロと打たせ湯のように流れ落ちるだけだった。

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 鳴和の交差点から城北通りを通って帰宅。所要時間1時間30分。