2014-01-01から1年間の記事一覧
生き物が物事を記憶するしくみについて、ノーベル生理学・医学賞をとったエリック・カンデルが解説する。 記憶には非陳述記憶と陳述記憶との2種類がある。 非陳述記憶とは、意識できない記憶のこと。例えば、最初は大きな音に驚くけれど、同じような音が繰…
料理家の辰巳芳子を紹介したドキュメンタリー映画「天のしづく」を撮影した映画監督が、撮影の様子や辰巳芳子との関わりを紹介した本。 辰巳芳子の料理本は何冊か買って試してみたけれど、この人の料理はお手軽でもないし、ありあわせの材料で手短に作るとい…
東京国立博物館の平成館で開催中の「台北 國立故宮博物院」展に行ってきた。残念ながら翠玉白菜の展示は終わっていたけれど見応えあった。特に、汝窯の青磁輪花碗と青磁楕円盤は良かった。東洋館では、故宮博物院展に会わせて、馬蝗班と国宝の青磁下蕪花瓶も…
著者のニコラス・ブーヴィエがフィアット500(トッポリーノ)に乗って、ジュネーブを出発し、1年半かけてアフガニスタンとパキスタン国境のカイバル峠まで旅をする。旧ユーゴスラビアからギリシャ、トルコを通って、イラン、アフガニスタンまで。 お金が…
ホンダF1の総監督をつとめた桜井淑敏さんの講演を聞く機会があった。桜井さんはホンダF1の第2期(1983年〜1992年)に総監督だった人だ。 1983年は私が高校生の頃、ホンダがF1に復帰するということで1年くらい前から楽しみにしていた。当時…
石油、天然ガス、原子力発電、再生可能エネルギー、省エネ、電力市場の自由化、電気自動車、バイオエタノール。エネルギーに関する最近までの(2011年の福島第一原発の事故まで)ありとあらゆる動きがまとまってます。上下巻ともに400ページを超える…
何年か前に買って本棚に入れっぱなしにしていました。一部写真もありますが料理の手順を文字だけで説明してあってとっつきにくいし、分量の説明も大雑把で使いにくそうだったからです。フランスのごく普通の家庭料理の基本のレシピがたくさん掲載された本で…
素粒子はひもや膜のようなものが振動することによって生じていて、ひもや膜のようなものの振動の仕方によって、いろいろな種類の素粒子が生じるというのが、超弦理論。素粒子物理学と相対性理論を矛盾なく統一的に説明できる可能性のある理論らしい。 この本…
それにしても、自分が住んでいる石川県の歴史をきっちりと学んだことないなと、妻と娘と息子が獅子舞で参加した百万石行列を眺めながら思いついて、この本を借りてきた。 思えば、地元の歴史は小学校の時に少し勉強したくらいで、中学以降はまとまって勉強し…
ここ数年、気が向けば禅宗関連の本を読んできたのだけど、本当はブッダはどんなことを言っていたのか、ブッダの生の言葉に近いものを読みたくて、この本を手に取った。 口承で伝えられたブッダの教えをある時点で、文字で書き留めたのがお経なのだろう。しつ…
「森の生活」のヘンリー・ソローが、歩くことと野生について講演した内容をまとめたものです。その後に、訳者のソローについての解説が続きます。 森の生活も同じですが、、ところどころなるほど、いいフレーズだと思うところもあるのものの、全体としては理…
アメリカの作家、ポール・セローの鉄道旅行記。ロンドンからフランス、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、グルジア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、インド、スリランカ、ミャンマー、タイ、カンボ…
アメリカの作家ジョン・スタインベックの旅行記。自分の目でアメリカをもう一度ちゃんと見るためにスタインベックは、58歳の時に愛犬のチャーリーといっしょにピックアップトラックを改造したキャンピングカーで旅に出ます。旅行したのは1960年代。コ…
息子が高校に入って初めての授業参観に行ってきた。現代文の授業。グループでテーマを決めて、西洋と東洋の特徴を比較し、その考えをまとめて発表するという内容だった。ちょっと遅れて行ったので最初の先生の説明はすでに終わっていて、グループ毎に話し合…
職場の仲間と連れだって、金沢から電車にのって七尾駅まで、そこから能登鉄道に乗り換えて能登鹿島駅まで行ってきました。満開は少し過ぎていましたが桜がきれいでした。驚いたのはたくさんの人。列車の中は満員だし、駅のホームも人であふれんばかり。線路…
Google会長のエリック・シュミットが、今後世界中の人が、携帯電話で常時インターネットに接続するようになると、プライバシー、国家、革命、テロリズム、戦争、災害や戦争からの復興がどうなるのかを綴った本。 国家は細心の注意を払ってネット上の大衆へ対…
著者は雑誌「暮らしの手帖」の編集長。暮らしの手帖はかなり好きです。料理、掃除、旅。何に対しても、ていねいに関わっていく姿勢好きで、毎年1、2回は買っています。もう5年分くらい本棚に並べていて、時々取り出して読み返しています。 この本では、松…
5時30分に仕事を切り上げた。駅周辺でちょっとだけ呑んでから帰ろうかとも思ったが、早く帰ってみんなを驚かせてやろうと思い、どこにも寄らずに帰宅。ところが、春休み中の娘も息子も、妻もいない。 仕方がないので、やかんで酒を燗して昨日作った醤油豆…
朝からずっと雨で止む気配もなし。本を読んで過ごし、飽きてくると台所で冷蔵庫をあけて何かないか確認したり、お茶をいれたりする。シンクの下の棚に、妻が自家製味噌を作るときに買った大豆の残りがあったので、醤油豆を作った。 鍋に醤油と酒とみりんと出…
龍樹(=ナーガルジュナ)は紀元150〜250年くらいに、あらゆるももは相互依存する現象に過ぎないという「空」の考え方を精緻に説いた人です。その思想は大乗仏教に引き継がれ日本の仏教にも大きな影響を与えています。この本は、まず、インド哲学の世界的な…
アラン・チューリングは、1930年代に現在のコンピュータの基本モデルとなる万能計算機(チューリングマシン)を考え出し、第2次世界大戦中はドイツ軍の暗号解読に多大な貢献、もし彼がいなければ戦争があと2年は長引いたのではと言われる。戦後もコン…
ベイズ統計というのは今から200年ほど前にイギリスのベイズという人が編み出した考え方だ。 ベイズのシステムは概念としては単純だ。客観的な情報を得て自分の意見を変えるだけのことで、つまり「当初の考え+最近得られた客観的なデータ=より正確な新た…
娘がスキーに興味を持ちはじめ、息子がスノーボードをやってみたいというので、先々週はイオックスアローザへ、先週は一里野温泉スキー場へと2週続けてスキーに行ってきた。 最初は怖がって初心者ゲレンデでゆっくりゆっくり滑っていた娘は、2日間妻がつきっ…
著者の前野隆司さんは、ロボットや触覚について研究している方。著者の「受動意識仮説」(意識は、無意識の脳の働きが作り上げたイリュージョン、意識は行動の原因ではなく、無意識が行った処理の結果)を説明するために、前半では、触覚、聴覚、視覚などの…
1996年頃、カリフォルニアのサンノゼに住んでいた時のお話です。まだ子供もいなかったので、長期の休みがとれれば妻とふたりでテントをもって国立公園をまわっていました。9月に遅めの夏休みをとることになり、やっぱり一度は国立公園発祥の地であるイエロ…
なぜ、私はこの世に自分の意志ではなく生れさせられ、苦しみあえいで生きねばならず、そしてじきに死んでしまわねばならないのか、しかもほとんど何もわからないままに。 著者にとって、最も重要なのはこの問いに正面から取り組んで考え抜くこと。その他のこ…
大阪に住むおばさんが、息子の進学のお祝いにと、たい焼きを送ってくれた。尼崎にある「二万翁」という地元では有名なたい焼き屋さんのものらしい。たくさん送っても送料は変わらないからと、豪快にも餡入りを25尾、カスタードクリーム入りを25尾の合計…
日々の行動の中で、意識が果たしている役割っていうのは、ものすごく小さいですよというお話。 前半には、意識がアクセスすることができない(無意識な)脳の働きが日々の生活のほとんどを取り仕切っている事例がたくさん出てきます。 初めて車の運転を学ぶ…