本
三宅陽一郎さんの「人工知能のための哲学塾」の中に、人工知能とは何をしようとしているのか考える手がかりとして、フッサールの現象学が登場する。それを読んで現象学に興味を持ち、田口茂さんの「現象学という思考」を読んだら、現象学というのはデカルト…
東洋経済新報社が毎年発表する「住みよさランキング」。2016年版の1位は千葉県印西市で5年連続のトップ。以下、 2位愛知県長久手市、3位富山県砺波市、4位石川県野々市市、5位福井県坂井市と続く。 毎年見ていると、大都市や県庁所在地の周辺にある郊外型…
著者のジェイムズ・リーバンクスは、1974年に代々続く羊飼いの家に生まれる。幼いころから家で祖父や父親の仕事を手伝いながら、自分も当然羊飼いになるものと思って暮らし、居心地が悪かった学校は高校の途中で行くのをやめてしまう。しかし、青年期特有の…
大企業と中小企業とで企業を分類するのでなく、グローバルの世界でトップを狙うのか、ローカル経済で着実に稼ぐのかで分類し、それぞれに合った成長戦略を適用すべきという内容。 自動車や電機などグローバルで競争せざるを得ない製造業は、雇用人数で言えば…
現象学面白いわ。 意識と無意識。自我。現在と過去、未来。言語、等々について、自明なことから考えを積み重ねていく。自明とは当たり前すぎて普段は意識もしないことだ。目の前のものトマトをトマトと認識すること、トマトが赤いと認識すること。その仕組み…
AIやIoTが今後の企業経営に大事だと思うのだけれど、どういうふうに受け止めて取り組んだらいいのか考えている人は読んでおくべき本。 まず、日本はこれから人口がどんどん減っていくので、景気の良し悪しに関わらず人手不足の状況が続いていく。既に飲食や…
くノ一忍法帖などの忍法もので一世を風靡した、山田風太郎のエッセイ集。この前読んだ「戦中派不戦日記」が面白かったのでこの本を手に取った。 この本は、「戦中派不戦日記」に至るまでの風太郎の生い立ちや、生まれ故郷である兵庫県の日本海側にある小さな…
他の生物にとって、この世界はどんな風に見えているのか。カタツムリ、ダニ、ゾウリムシなどの観察と実験をもとに解き明かしていきます。 例えば、カタツムリの目の前に1秒間に3回以上の頻度で棒を差し出すと、その棒の先に乗り移ろうとするそうです。カタツ…
渡辺京二さんは「幻影の明治 名もなき人々の肖像」の中で、山田風太郎の一連の明治もの小説を題材にして、明治の時代の肌触りを再現している。この本を読んで山田風太郎に大変興味を持ち、彼の著作を読んでみたくなり、とっかかりとして昭和20年1月1日から12…
明日に仕事の締め切りが迫っているのに全然できていない。時間が足りない。借金の返済期限が迫っているのに急な出費でお金が足りない。好きなだけ食べたいけれど、ダイエット中で十分食べられない。あたたかい人間関係が足りない、恋人や友達がほしくてたま…
奈良時代から平安前期ごろまでの歴史。唐の威光にかげりがでてきて、政治制度や文化、宗教において唐を丸写しする時代から、少しづつ日本の独自性が出てくるころだ。 人や田の状況を把握するために戸籍や田籍を整備し、それに基づいて人々に口分田を与え、租…
渡辺京二さんといえは、幕末から明治に日本を訪れた西洋人が書き残した旅行記などから、当時の日本の姿を再現した「逝きし世の面影」が印象に残る。そこには、封建制の抑圧に苦しみ貧しい悲惨な庶民の生活があるかと思いきや、掃除が行き届いた清潔な家、こ…
私には赤色に見えている海に沈む夕日は、隣に座っている人にも同じように見えているのかしら。太陽の光が目には入って網膜に捉えられ、その信号が脳に送られて赤いと感じられるのであれば、各自の脳の処理の仕方によって、それぞれが全く違う景色を見ている…
天智朝、天武朝から奈良時代の終わりまでを扱う。 律令制のところで「公廨」という言葉が出てくる。「くがい」と読む。もともとは、官衙の建物を指していたが、そこから官衙の収蔵物、収入を指すようになり、官人の給与に当てる収入を指すようになる。公廨稲…
江戸の人々の生活の肌触りを丁寧に掘り起こした「逝きし世の面影」の著者、渡辺京二が明治の人々について書く。 「第一章 山田風太郎の明治」では、山田風太郎の明治期に題材をとった推理小説から、庶民の行動、考えていたことを説き起こす。 「第三章 旅順…
ベラルーシ出身のノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチがソビエト時代のことやソビエト崩壊後の暮らしのことを、市井の人々から聞き取ってまとめた本。インタビューの時期は1991年から2012年。 600ページが文字でびっしり埋め尽くされてい…
土曜の午後、散歩がてら歩いて県立図書館へ本を返しに行ったついでに、図書館の裏の階段を上って、出羽町に上がりそのまま、石引パブリックに行ってきた。 デザイナーの方が経営しているので、アートやデザイン系の本ばかりかと思ったら、食べ物系、音楽、映…
著者は社会学者の岸政彦さん。沖縄から本土に出稼ぎに来た人たちにインタビューした「同化と他者化 戦後沖縄の本土就職者たち」や、ホームレスや同性愛者などの身の上話を綴った「街の人生」などの著書がある。 この本は、市井の人たちにインタビューする中…
このブログを書き始めたのは、今の仕事に転職して文章を書く機会が増えたから。それまでは経理で働いていたので作る資料は基本スプレッドシートのみ。説明の文を書くとしても箇条書き程度だった。ぐだぐだと長く書くのは嫌われた。 それが転職してからは、挨…
この巻では6世紀から7世紀を扱う。推古朝から持統朝にかけて、蘇我氏が台頭して大化の改新が進んでいく頃このこと。 仏教の受容や、蘇我入鹿が暗殺され蝦夷が自害に追いこまれた「乙巳の変(いっしのへん)」、それに続く大化の改新は、隋・唐や百済、新羅、…
時々、休日の午後に能楽堂に出かけて、椅子に座って半分居眠りしながら能を見る。謡の内容もよくわからないけれど、その場の雰囲気に浸っているのが心地よい。先日も金沢能楽会の定例能で「翁」を見てきた。いつもより豪華な衣装を着たたくさんの人が舞台に…
二宮尊徳が活躍したのは、19世紀前半頃。長年にわたる幕藩体制の矛盾がいろんなところで露見し、深刻な飢饉が2回もあるなど、農民の生活は疲弊していた時代だ。時代の状況が最近の日本になんとなく似ているような気がしたので読んでみた。 農村復興の手法…
14世紀前半、イタリアの修道院で発生した連続殺人事件を、修道士のウイリアムとその弟子アドソが解明していく物語。著者ウンベルトエーコの豊富な知識がちりばめられているので、中世ヨーロッパの歴史を知る入り口としてもおすすめ。異端審問、キリスト教…
生命はどうやって始まったのか? 植物や動物などの多細胞生物、細菌はなぜ今あるような形であり、今あるようなやり方で生きているのか? 生命に関する直球ど真ん中の疑問に真正面から答えてくれる本です。 主要なテーマは二つ。一つ目は生命の起源。著者は細…
年末の休みに入ってから読み続けて今朝ようやく読了。 コロンビアの作家でノーベル賞を受賞したガルシア=マルケスが1967年に発表した作品。マコンドという架空の都市がジャングルの真ん中に建設されて繁栄し、その後ジャングルにのみこまれて荒廃するま…
自由の女神、飲料の缶、戦艦や戦闘機、橋、アラスカの原油パイプライン。これらは皆、技術の粋を集め莫大な費用をかけて錆から守られている。アメリカにおける錆による被害額は年間40兆円以上とも言われる。人間と錆との戦いやステンレス鋼の開発の歴史、…
料理研究家としては随分思い切った提案。日常の食事は、いつもと同じものでいい。毎回何か真新しいものを作ろう、品数を増やそうと悩まなくていい。ご飯と、味噌汁と、漬物。これだけでいい。一汁一菜が和食の基本。もし余裕があればおかずを一品ってみよう…
ドイツの作家、ツヴァイクの短篇集。「目に見えないコレクション」、「書痴メンデル」、「不安」、「チェスの話」の4話。 「チェスの話」は、ニュヨークからアルゼンチンに向かう客船の中で、チェスの世界チャンピオンとある男がチェスをする話。その男はナ…
坐禅の真似事を始めて1年。毎朝2、30分坐るようにしている。自分が実際に坐っている時に感じていることと照らし合わせると、この本に書いてあることが少しわかってくる。今回読むのは2回目。最初に読んだ時には頭で理解できても実感できなかった、坐骨の…
役所の補助金を使って地域振興事業をやることのダメさ加減を徹底的に見せつけます。 まずは「ゆるキャラ」から。大のおとなが税金を使ってまでやる程のものか、ゆるキャラグランプリを取ったところで経済効果があるのか。と切り捨てます。実は大した成果をあ…